『白衣のなみだ 第三部』最終回・結末まで

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昼ドラマ『白衣のなみだ 第三部 使命』最終回・結末までのあらすじ・ネタバレ

白衣のなみだ

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「白衣のなみだ 第三部 使命」あらすじ・ネタバレ・結末

これまでのあらすじ
白衣のなみだ 第一部「余命」
白衣のなみだ 第二部「慈命」

白衣のなみだ 第三部「使命」
現代 ~ 百田瞬太の物語

 2013年6月の神奈川県・湘南。
 湘南清風総合病院に新しく、若き外科医が赴任する。その医師・百田瞬太(石黒英雄)は、28年前、この病院で勤務していた百田滴(水野美紀)の長男である。

 瞬太は赴任早々、不在の外科医に代わり、急患の開頭血腫除去の手術を成功させる。内科医の亀井大輔(遠藤雄弥)は瞬太の素早く完璧な手術にひたすら驚く。院長の置田龍太郎(長谷川朝晴)から、瞬太が東京の帝都大学病院から来た優秀な医師だと紹介されると、看護師の原口のぞみ(土肥美緒)手塚麻子(石堂夏央)北川萌花(瀬戸さおり)加藤舞(山本紗也加)たちは一様に胸をときめかせる。「先生がいなかったら患者さんの命がどうなっていたことか」と亀井。それに対し、医師の飯島悠人(大熊ひろたか)浜田健(長島竜也)は不満顔。外科医の飯島は自分が渋滞に巻き込まれて遅刻しているうちに見知らぬ「エリートくん」が株を上げたことで、いちだんと機嫌が悪い。

 そんな飯島たちに、事務長の西条美由紀(小沢真珠)が、ある週刊誌の記事を見せる。帝都大学病院の有名教授が賄賂を受け取ったことを伝える記事である。その教授が急死し、彼に師事していた医師たちは各地の病院にバラバラに散ったという。瞬太も地方に散った医師の一人かもしれないと言うのだ。
 瞬太は外科部長の河原崎公平(六角慎司)から院内の患者を紹介される。がん患者の東忠信(近藤芳正)、末期の大腸がんを患っている老女・桑野ルイ(草村礼子)たちである。ルイには家族の希望でヘルニアだと嘘をついているらしいが、ルイは自分ががんであることに薄々気付いていた。

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三上志織

 この病院には「担当になるとハズレくじ」と医師の間で囁かれる患者がいる。特別室の三上志織(小泉麻耶)である。先程、瞬太も落とした硬貨を拾おうとしたところ、パンツを覗こうとしたと誤解され、彼女に平手打ちをされたばかりである。その後、いなくなったかと思えば、なぜか霊安室で姿を発見。そういった理解できない行動も医師の間では周知されているようだ。志織の母親は、マスコミにもしばしば取り上げられる教育評論家だという。
 瞬太は医師である父・百田良介(永井大)からたびたび忠告されてきた言葉を思い出す。「病気だけを診ている医者はたくさんいる。ちゃんと患者を見るんだ」と。

 しかし、早くも患者と診察をめぐってトラブルが。松木久雄(政岡泰志)松木知花(木原花保)の夫婦がクレームをつけてきたのだ。先日、瞬太が診察した彼らの子供が痛みを訴えており、誤診ではないかという。瞬太は異常がないことを改めて説明するが、夫婦は難癖を付ける。すると、その時、事務長の美由紀が「ご迷惑をおかけしました」と謝罪し、夫婦に現金入りの封筒を渡す。結局、このクレームは穏便に解決するが、瞬太は美由紀がなぜ謝罪したのか納得がいかない。美由紀はモンスターペイシェントによって悪いウワサが広まれば、こんな小さな病院はすぐに立ち行かなくなるとして、瞬太の抗議を退ける。
 そんな中、瞬太は理学療法士の木梨三千男(清水伸)と出会う。瞬太の両親には助けられたという木梨。彼は16歳の時、この病院に入院していたことがあるのだ。一方、近所の喫茶店「吉 Good Luck」でも瞬太は両親が慕われていた足跡を知る。オーナーの吉岡悟(坂田利夫)、若妻の吉岡瑞希(ドーキンズ英里奈)が切り盛りするその喫茶店は、両親も通っていたことがあり、当時のオーナーと懇意な間柄だったのか、店内には両親の写真も飾られていた。滴が良介に妊娠を報告したのもこの喫茶店らしい。

杉本恵

 現在、瞬太の父・良介は小田原で百田診療所(はるかぜ診療所)を開業し、訪問診療を中心とした医療をおこなっている。パートナーの戸田利恵(明星真由美)とともにクルマで患者の自宅に出向くシステムである。
 ある日、良介は道端でうずくまっている女性を見つける。そして、彼女の顔を見た良介は言葉を失う。その女性、杉本恵(水野美紀)は亡き妻の滴にそっくりだったからだ。

 一方、瞬太は特別室の志織の主治医を命じられるが、まともに会話もしてもらえず、困り果てる。多忙な教育評論家の母・三上由貴子(大沢逸美)と対面し、瞬太は家庭環境にも問題があるのではないかと疑う。瞬太は滴が親身になって患者に向きあう医師だったことを木梨から聞き、いつも食事を残している志織に弁当を届けることにした。
 そんな中、自傷行為を繰り返している女子高生の岩崎陽菜(金澤美穂)のリストカットを止めに入った志織が負傷する。軽傷で事無きを得るが、志織がホームシックの少年患者(須田瑛斗)を折り紙で慰めている姿をたまたま目にしたり、この数日、瞬太は志織の知られざる一面を垣間見る。ふだんの反抗的な態度は何らかのサインではないかと亀井と話し合う瞬太。瞬太は父・良介が写真を撮影することで患者とコミュニケーションをとっていたという話を思い出し、病院にカメラを持参。カメラのまえに小児科の子供たちが集まり、子供たちに誘われて志織もわずかに笑顔を見せる。

 その日、病院にひとりの女性が訪れる。杉本恵である。母とそっくりの容姿を持つ恵を見た瞬太は驚く。彼女は良介からセカンドオピニオンでこの病院を紹介されたという。検査の結果、悪性の脳腫瘍/グリオーマが見つかる。放置すれば半年もたない。しかし、恵は手術を受けないと拒む。
 それ以来、瞬太は恵のことが気になりだす。それが恋愛感情かはわからない。そのことを木梨に問われるが、瞬太は「母と似た人が現れたら気になってあたりまえ」と答える。

延命治療

 陽菜がまたリストカットをするが、その理由がわかる。以前、初めて自傷行為をした時、両親が一晩中ずっと看護してくれたという。心配してくれる気持ちが嬉しくて自傷行為をやめられなくなった、という陽菜。
 わが子よりも仕事を優先してきた教師の父・岩崎武彦(相島一之)は陽菜の気持ちにふれ、「父親失格だ」と涙ながらに詫びる。

「病気だけを診ている医者はたくさんいる。ちゃんと患者を見るんだ」
 そんな父・良介の言葉を守ろうとする瞬太だが、患者の治療に関しては良介と考え方がぶつかる。医師の使命として助かる可能性がある限りは万策を尽くすべきという考え方の瞬太。だが、良介は苦しみながら延命治療をされることが果たして良いのかという考え方を示す。瞬太はその考え方が、恵に手術を強く勧めず逃げていることの言い訳にしていると直感する。
 瞬太は興奮するあまり、良介に対し、恵が母と似ているから特別な感情を抱いているのではないかと問うが、良介から「それを抱いているのはむしろお前の方ではないか」と返される。
 その頃、ちょうど病院では、老女の患者・ルイの延命治療の件が取り沙汰されていた。ルイの息子・桑野茂男(神保悟志)、その妻・桑野晶子(大島蓉子)は瞬太にルイの延命治療の要望を出すが、患者の東から聞いた話によれば、彼らが延命治療をさせたい理由はルイが亡くなると年金をもらえなくなるからだという。年金受給のために延命治療をさせるという話を聞いて絶句する瞬太。瞬太が桑野夫婦に尋ねると、晶子は涙ながらにそれを認める。だが、茂男から医師はプライベートまで詮索するのかと激怒される。
 晶子は思い悩み、ルイに末期の大腸がんだと告知してしまう。以前からルイは「もしも自分が末期のがんなら苦しみたくないから延命治療をしないでほしい」と訴えていたのだ。本人の意思に添うなら延命治療はしない方針となるが、ルイは「年金でも息子夫婦を救うことができれば本望」と瞬太に延命治療を頼む。

杉本淳

 恵が倒れ、病院に搬送されてくる。それでも恵は手術を許可してくれない。恵は「神様は良いことを2つは与えてくれないと思うんです。もし私が手術を受けて生き長らえたら、もう二度と離れた夫は戻ってこないような気がして」と言い、手術を頑なに拒否する。
 瞬太はその考え方を迷信じみていると斬り捨て、手術をすべきだと激しく詰めよるが、良介から突き飛ばされる。瞬太は生きていて欲しかった母と恵の面影を重ねあわせ号泣する。
 その後、瞬太は恵から「人を殺してしまったんです」と告白される。
 4年前、恵は杉本淳(河村隆一)という地元の名士の長男と駆け落ちした。駆け落ちした理由は、彼の両親に結婚を認められなかったからである。やがて妊娠が発覚し、幸せな日々を過ごしていたが、恵は流産してしまった。
 恵が「人を殺してしまったんです」と言う理由は、このときの行動にある。恵は出血に気が動転し、淳に助けを求めて電話をかけた。淳はバイクで家路を急いだのだが、その途中で老女をバイクではねてしまったのだ。老女は即死だった。
 淳には懲役2年の実刑判決が下った。その後、淳は服役を終えて出所したらしいが、帰ってこないのだという。恵はずっと自分を責めていた。自分のせいで淳は事故を起こし、老女は亡くなってしまったのだと。

志織の父親

 特別室の志織は、患者に親身になって接しようとする瞬太に少しずつ心を許す。これまで検査を拒否してきたが、ついに検査同意書にサインをし、初めて志織の検査が行われる。志織はかつての恋人が医師だったが、裏切られたことで医師に心を閉ざすようになったと瞬太に明かす。
 志織は入院生活の中で、瞬太が亡き母親にそっくりな患者・杉本恵に好意を抱いているというウワサを聞き、胸がざわつく。さらに母の由貴子から、ある週刊誌の記事を見せられた志織はショックを受ける。
 それは帝都大学病院の有名教授が賄賂を受け取り、急死したことを伝える記事だった。その教授は、由貴子が離婚した元夫の堂島教授(長谷川公彦)、つまり志織の父親で、瞬太は彼の医療チームにいたというのだ。由貴子は瞬太の過去を知ると不信感をあらわにする。
 その後、志織は特別室からいなくなってしまう。衣類も持ち物もすべて消える。瞬太は事務長の美由紀から、何か志織の気分を害する行為をしたんじゃないかと責められるが、瞬太は彼女がなぜいなくなったのかわからない。
 由貴子によって退院させられた志織は自宅に帰るが、その後、病院に戻ってくる。医師の亀井が彼女に気付いて呼びかけると、志織は瞬太に謝りたいことがあるとつぶやく。志織がかつて交際していた医師は、志織を利用するだけのために近づいてきたのだという。その男の本性を見抜けなかったことが父・堂島教授の死を早め、それが瞬太の人生を狂わせてしまったというが、詳細は聞き出せない。

 瞬太は志織の自宅を訪ねる。そこで瞬太は母・由貴子から、志織の元恋人の話を聞く。その男は帝都大学病院の先端医療センターで働いていた医師だと聞き、瞬太は驚く。男は堂島教授に師事しているように偽りながら、製薬会社から賄賂を受け取り、その既成事実をごまかすために志織に宝石や絵画などを贈っていたという。「志織はその男に利用されたのよ」と由貴子は話す。瞬太は尊敬していた堂島教授のことを思い出す。堂島教授は賄賂を受け取った疑惑が向けられる中、瞬太たちの目前で倒れ、急死したのだった。

 一方で、瞬太は以前、良介と口論になった延命治療への考え方や、患者が安らかに人生を終えることについて再考する。瞬太は終末期患者のカズエ(宮内順子)の家に向かう良介に同行する。そこで瞬太はカズエが自分の死を悟ったように、家族のひとりひとりに声をかけ、家族に看取られながら安らかに最期を迎える光景を目にする。
 翌日、瞬太によって、大腸がんの患者・ルイの手術は成功する。瞬太は息子の茂男にルイの延命治療について良介と似た考え方を話す。この頃になると、瞬太は事務長の美由紀や、外科医の飯島ともようやく打ち解けるようになる。
 瞬太が担当するもう一人の患者・東はずっと謝りたかった認知症の母(小野敦子)と再会する。東は母を老人ホームに入所させるときに「家を改築するから」とウソをついて半ば強引に入れさせたのだ。母と対面した東は土下座をし、涙を流しながら謝る。

 そんな中、志織の検査結果が届き、彼女が指定難病である筋萎縮性側索硬化症/ALSに罹患していることがわかる。

難病

 瞬太は志織がALSに罹患していることを知り、ショックを受ける。
 時を同じくして、志織が倒れ、帝都大学病院に搬送される。瞬太にとって追放されたも同然の古巣の病院である。
 瞬太は病室を訪ね、志織がALSだということを彼女の母・由貴子に知らせる。そんな瞬太のまえに元同僚の医師・斉藤勤(瀬下尚人)が現れる。志織の主治医となった斉藤は、瞬太を冷淡に追い返そうとする。
 そんな中、志織は、由貴子と斉藤がALSについて話しているのを聞いてしまう。志織が調べると、ALSは多くの患者が数年で呼吸筋麻痺により命を落とす難病とある。志織は弱気になるが、瞬太はそんな志織を抱きしめ、自分が側で支えていくと告げる。
 由貴子は今も昔も志織のために何もしてやれず、自分がダメな母親だったと志織に詫びる。

 喫茶店のオーナー・吉岡と瑞希との間に待望の第一子が誕生、常連客の病院スタッフたちが集まり、吉岡夫妻は祝福に包まれる。
 一方、湘南清風総合病院では、瞬太の父・良介に一過性脳虚血発作の症状があらわれ、一時入院することになった。
 瞬太が志織のことを良介に相談すると、難病に対してなぜ尻込みしているのかと諭される。病気を治すことが医師の使命じゃないのか、と。瞬太はその言葉に発奮し、自分に出来ることを模索し始める。
 瞬太は帝都大学病院へ。志織をALSの治療に積極的な病院に転院させられないかと要望するが、斉藤から「転院させたら評判が落ちる。それに、彼女一人のためにそこまでする義務はない」と突き放される。
 為す術なく帰ろうとした瞬太は、かつて同じ医療チームだった岡島太志(森岡豊)と再会する。病気の解明をする病理学に携わる岡島の話を聞き、瞬太は興味を示す。
 そんな中、淳が恵の自宅を訪ねてくる。恵がずっと帰りを待ち焦がれていた淳。しかし、淳はある理由から恵と離婚することを決意していた。

淳と恵の再会

 淳が恵の自宅を訪ねてくる。淳は出所後、現在は工事現場で働き、生計を立てているらしい。
 淳は自分といると恵を不幸にさせてしまうという思いから、恵に離婚してほしいと言う。恵も病魔に冒された自分の人生を淳に背負わせたくないという思いから「今度、お見合いがある」とウソをつき、そっけない態度をとってしまう。
 2人はお互いを思いあって別れようとするが、その話を聞いた瞬太は偽りの愛だと言って恵をたしなめる。
 翌日、百田診療所に淳が訪ねてくる。恵の自宅でこの百田診療所の薬袋を見かけたらしい。良介が入院中のため、瞬太が応対する。
 瞬太は淳に、恵が脳腫瘍に冒されていることを告げる。さらに恵が手術を拒否していることも。瞬太は、恵が手術を拒否する理由として、手術の後遺症で記憶障害が表れ、淳との記憶が消えることを恐れているからだと話す。先日、恵は「淳との思い出が私にとって一番の宝物」と話していたのだ。淳は恵がずっと自分の帰りを待っていたことを知り、これからは恵にも自分にもウソをつかずに彼女の人生に添い遂げることを決意する。
 その矢先、恵が倒れて病院に搬送される。淳は意識を取り戻した恵の手を握り、「恵が記憶を失って、俺のことを忘れても、俺は離れない」と言う。恵は淳の気持ちにほだされ、手術を承諾する。

結末

 瞬太はALSの治療法を見つけるためにシアトルの難病研究センターに行くことを決意。置田院長に退職届を提出する。
 瞬太は入院中の良介にその意思を伝え、実は、瞬太が帝都大学病院を追放された時、良介がこの湘南清風総合病院に紹介状を書いてくれたことを感謝する。良介は事務長の美由紀と地域医療のために提携することになったという。
 帝都大学病院を訪ねた瞬太は、志織に「一週間後、シアトルに一緒に行ってほしい」と告げる。志織は自分のためにそこまでする瞬太の決断を重荷に思う。

 恵が帝都大学病院で脳腫瘍の手術を受けることになり、院内で志織と会う。恵は、志織が瞬太との渡米をためらっていることに気付き、「一緒にいることが彼の力になる」と志織の背中を押す。
 恵は手術室へ。恵の脳腫瘍の手術は成功し、目を覚ますと淳の笑顔があった。良介は2人の幸せを見届けると去っていく。

 出発の前日、瞬太のために病院で送別会が開かれる。瞬太のために、医療スタッフや患者、事務長の美由紀、吉岡夫妻たちが集まる。
 志織からの連絡はなく、瞬太は一人で渡米することを心に決める。だが、帰宅すると、トランクを携えた志織が待っていた。瞬太は何も言わず、彼女を抱きしめる。
 瞬太は思う。命から目をそらさないでいよう、どんなに辛くても悲しくても、そこから明日は生まれてくるのだから、と。
 夜が明け、瞬太と志織は旅立ちの朝を迎える。(終)

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白衣のなみだ 第三部 使命