タイトル | 木曜ミステリー「刑事110キロ」 |
初回 / 最終回 | 2013年4月25日 / 6月 |
放送局 / 放送日 | テレビ朝日系 / 木曜日 20:00 |
制作 | テレビ朝日系、東映 |
製作総指揮 | 井土隆 |
プロデューサー | 川島誠史(テレビ朝日)、河瀬光、横塚孝弘(東映) |
原作・脚本 | 石原武龍、尾西兼一 |
監督 | 黒沢直輔、石川一郎 |
音楽 | 沢田完 |
主題歌 | 徳永英明「STATEMENT」 |
京都府警捜査第一課は、京都市の竹林で遺体となって発見された氷川総合病院の看護師・村井秀美(中村彩実)の殺人事件の捜査を進めていた。
現場で見つかった凶器のノミから、工務店の従業員・三宅悠輔(大熊ひろたか)の指紋が検出される。三宅悠輔は秀美のストーカーとみられる人物で、傷害と器物破損の前科者だった。さらに、彼が逃走するのを見た目撃者もいるという。
京都府警捜査一課の課長・錦織玲子(高畑淳子)と刑事の木内光義(中村俊介)は、三宅の実家「三宅悠里子助産院」を訪ねる。
刑事の訪問を驚いた表情で出迎えるのは、母の三宅悠里子(市原悦子)。悠里子は捜査には非協力的で、怒ったようにドアを閉めてしまう。
玲子と木内は、悠里子が何か隠していると思い、容疑者が現れるのを待って近所で張り込みをすることにした。
その頃、同じ町内で、下着泥棒を追いかける警察官がいた。
その警察官・花沢太郎(石塚英彦)は体重110キロの巨漢である。足も遅いので一向に泥棒に追いつけずにいる。
喉が渇いた太郎は「三宅悠里子助産院」の庭に入り込み、悠里子に水を一杯もらうことにした。
たまたま入り込んだ別件の容疑者の実家だが、太郎はお茶が入ったコップの位置から「その家に他に誰かがいる」ことに気付く。
テーブルを挟んでイスが手前と奥に2脚ある場合、コップに飲み物を入れたら、人間の心理としては近い方の椅子に座って飲むはずだと思ったのだ。なのに、コップは回りこまなきゃいけない遠い方に置かれてあった。
さらに、ふすまの中途半端な開け方に違和感を覚えた。完全にふすまを閉めていたら誰かが隠れていると詮索される、それを詮索させまいがためにわざと中途半端な開き方にしているような・・・。
つまり警察官に会わせたくない人物が中にいる・・・、そんな警察官の勘が働いたのだ。
太郎の勘は的中する。悠里子が「逃げて!」と叫ぶと、悠輔容疑者が飛び出していく。
見張っていた玲子と木内は急いで追いかけるが、悠輔容疑者を逃がしてしまう。
翌日、川面交番で働く太郎。太郎は交番で20年間働いている。
太郎は勘が鋭く、道を訪ねに来た観光客の話を聞くまでもなく、目的地のルートを伝える。
そんな太郎のもとへ、玲子がやって来る。
玲子は昨日の太郎の優れた洞察力を見て、京都府警捜査第一課・特別班に異動させるとの知らせを伝えに来たのだ。
その通知に太郎は喜ぶ。刑事ドラマに憧れていた太郎は、大はしゃぎしながら京都府警に出勤する。
出勤した太郎は相棒となる「キューちゃん」こと木内刑事と、情報収集能力では特別班随一の才媛・権田千夏(星野真里)を紹介される。
現在、捜査している事件は、看護師・秀美の殺人事件である。
今日になって、氷川総合病院の常任理事・氷川京太郎(原慎一)が遺体となって見つかったという。氷川は病院の非常階段で転落死したとみられる。
現場に急行した太郎は、体重110キロの自分を「デブ」と罵ってきた鬼久保巌(石丸謙二郎)と小競り合いを起こす。鬼久保は捜査第一課の係長で、課長・玲子の部下にあたる。玲子のことが気に入らない人物である。
太郎が氷川の遺体で気になったのは、手の甲のキズと、氷川が苦しそうな表情で絶命していたということだ。
太郎は看護師への聞き込みで「紺の作務衣」を着た人物が逃げていくのを見たという情報を入手する。
「紺の作務衣」といえば、容疑者の母・悠里子が着ていた服である。悠里子とこの事件とのつながりを直感する太郎。
太郎は悠里子宅で、縁の下の柱にスズメバチの巣があったことから一つの仮説を立てた。
スズメバチの毒が2度体内に回ると、アナフィラキシーショックを起こしてアレルギー性ショック死に至るケースがある。
氷川は以前、ゴルフ場でスズメバチに刺され、ゴルフ場を告訴した過去がある。
それを知った悠里子はなんらかの凶器にスズメバチの毒を塗り、氷川の手の甲を傷つけた。氷川はスズメバチの毒が体内に回ったのがそれで2度目となり、アナフィラキシーショックを起こしてショック死した、と。
そこに千夏が氷川の解剖結果を持ってくる。太郎の推理通り、死因はアレルギー性ショック死だったという。しかし、犯人が悠里子であるかは断定できないままだ。
逃走していた悠輔について、意外なことがわかる。
彼をよく知る小鍋屋あかねの店主・白石あかね(竹下景子)の証言によると、悠輔は被害者・秀美のストーカーではなく、実は恋人だったというのだ。傷害と器物破損の前科者である悠輔は、自分のことで彼女に迷惑をかけないように恋人ではないフリをしていたらしい。
捜査は進展する。秀美を殺した真犯人は、実はストーカーだった氷川だということ。工務店から悠輔が愛用するノミを持ち出し、凶器として使い、現場に放置したこと。金を渡して仲間の寺西に“悠輔が現場から逃げていった”と偽証させ、悠輔を容疑者に仕立てあげたこと。
さらに、悠里子にも寝たきりの母を窒息死させた過去が発覚し・・・。
そんな中、京都市内の公園でもう一つの事件が起きていたことが判明する。
悠輔が氷川の命令によって、寺西とチンピラグループに暴行され、死亡していたのだ。寺西とチンピラグループは傷害致死の容疑で逮捕される。
そして事件は解決をみる。
太郎が下着泥棒を追いかけて初めて三宅悠里子助産院に訪れたあの日の夜、悠輔は寺西に呼び出され、集団暴行を受けた。悠里子は全身傷だらけで帰宅した悠輔から、氷川にワナにハメられたことを聞く。悠輔が息を引き取る。悠里子は息子の無念を晴らすために、クシにスズメバチの毒を染み込ませて、氷川の手の甲を傷つける。氷川はアナフィラキシーショックを起こして死亡した。
すべては復讐のためだった。太郎はこの親子の心情を想い、悲しい胸の内を隠して悠里子に手錠をかける。
こうして、刑事となった太郎の最初の事件が幕を下ろした。
井上和香 | 木内菜穂子(木内刑事の妻) |
陳内将 | 林弘太郎(鬼久保の部下、氷川総合病院の事件現場にいた) |
石井トミコ | 鈴春(占い師。太郎に小鍋屋あかねの場所を教えた) |
長島愛莉 | 木内かなえ(木内刑事の娘) |
中西萌 | 木内こずえ(上に同じ) |
椎平瑠月 | 木内さちえ(上に同じ) |
大矢敬典、THE石原、渋谷めぐみ、内藤邦秋、山本辰彦、小泉敏生、森サヤカ、内野佑美、武田香織、米田理智
羽場裕一 | 青木誠一(法律事務所の所長) |
本田博太郎 | 白石勇作(あかねの元夫) |
高野志穂 | 梅渓靖子(経営者) |
中村高華 | 青木千賀子(弁護士、誠一の妻) |
吉田輝生 | 谷山貞雄(建設会社の社長) |
田中良子 | 宮野慶子(キャバクラ嬢) |
大重わたる、いわすとおる、加藤重樹、鎌森良平、三浦憲世