タイトル | 東海テレビ 昼ドラ「白衣のなみだ 第一部 余命/第二部 慈命/第三部 使命」 |
初回 / 最終回 | 2013年4月1日 / 6月28日(全65回) |
放送局 / 時間 | フジテレビ系 / 月曜日~金曜日 13:30 |
制作著作 / 制作 | 国際放映 / 東海テレビ放送 |
プロデュース | 服部宣之、河角直樹、松本圭右、小俣絵梨 |
原作・原案 | 谷村志穂「余命」 |
演出 | 皆川智之、藤木靖之、奥村正彦、星田良子 ほか |
脚本 | 古林実夏、金谷祐子、牟田桂子、田部俊行 ほか |
音楽 | 森英治 |
OP主題歌 | BoA「Tail of Hope」 |
ED主題歌 | 河村隆一「七色」 |
1985年の神奈川県・湘南。
湘南清風総合病院で内科医を務める38歳・百田滴(水野美紀)は右胸に手術痕がある。14年前、乳がんを患った滴は、右の乳房を切除したのだ。
早期発見で手術は成功したが、再発の危険性はある。滴は常に再発の恐怖と戦いながら、これまで生きてきた。
滴が病院で休憩していると、結婚10年目の夫・百田良介(永井大)が弁当を持ってくる。
良介は滴とともに医師になる道もあったが、写真のコンテストで最優秀賞を受賞してからフリーカメラマンをしている。しかし、仕事がうまくいかず、専業主夫も同然の生活を続けていた。
病院経営を第一に重視する事務長の小沼義男(徳井優)とはしばしば衝突するが、先輩の諸井正三(中村育二)を始め、小児科医の保井きり子(MEGUMI)、外科医の置田龍太郎(長谷川朝晴)、産婦人科医の東堂弥生(犬山イヌコ)は滴が信頼する同僚である。
看護師も様々。戸田利恵(明星真由美)、竜崎愛子(瀬戸カトリーヌ)といったベテランのほか、大森光代(尾畑美依菜)や金井浩子(藤嵜亜莉沙)といった若手看護師もいる。
滴が良介と帰宅すると、良介の母・百田路代(岩本多代)が家に訪ねてきていた。
路代は初孫の誕生を急かしに来たのだ。路代は小言が多い。身だしなみを注意される滴。
「悔しかったら、子供の一人でも産んでごらんなさい」と滅茶苦茶なセリフを吐いて帰っていった。
翌日、安藤ミツ子(山本陽子)が滴のもとを訪れる。
ミツ子は滴が担当していた患者。先日、先端医療機器が整っている大学病院に移送したのだが、その大学病院の返事は「すでにがんが多発転移しており、手術はできない」ということだった。つまり、手遅れということである。
滴はショックを受けるが、薬で治療しようと提案する。だが、ミツ子は「無駄に希望を持たせないで欲しい」という。
それでも滴は食い下がる。この病院で一緒に戦おうと。ミツ子はその姿勢に心を打たれ、再び滴が治療を担当することとなった。
患者は他にもいる。糖尿病の杉下直親(モロ師岡)、白血病の田中友幸(大西利空)や手術を拒否し続けている木梨三千男(新田海統)といった少年もいる。三千男は病気が再発するかもしれない不安から苛立ち、時に問題児のような振る舞いを見せており、きり子は気にかけていた。
滴の妊娠が発覚した。妊娠4ヶ月目だった。超音波写真の赤ちゃんを見ながら喜びを隠し切れない滴。
ところで、自宅の近所に「Good Luck」という喫茶店がある。ここはワイン通の吉野晃三(辰巳琢郎)、吉野秀実(木野花)の夫婦が経営している喫茶店。滴はたびたびここに息抜きをしに訪れるのだった。
良介と来店した滴は、そこで妊娠を発表する。吉野夫婦は喜んでくれたが、良介の表情は曇っている。良介は滴の乳がんの再発を心配していた。
滴は強がるも、3年間も乳がんの検診をしていないことを隠していた。しかし、日常のふとした瞬間、再発の可能性が頭をよぎると言い知れぬ恐怖に襲われるのだった。
そんな時、17歳の小松加奈子(秋月三佳)という少女が出産に訪れた。無事に赤ん坊は生まれ、滴は生命の誕生に感動する。
ある時、胸にシコリを感じ始めた滴。乳がん検診は避けては通れない。
滴は自らの手で乳がんのエコー検査をすることにした。が、モニター画面には黒い影が。それは乳がんが再発したことを示していた。
子供を産むことは可能だが、健常者の出産とは違い、生命の危険がある。滴は良介にも誰にも伝えられず、一人で思い悩む。
野上健(土屋裕一)、妊娠中の野上優美子(西慶子)の夫婦が来院してきた。盲腸だろうと安心していた健だったが、健の腹部に進行性の大腸がんが見つかる。
時を同じくして、糖尿病の杉下がめでたく退院して行ったり、嫁の妊娠に浮かれる義母・路代の相手をしたり、そんな日々の中で、妊娠14週目の山口菜月(映美くらら)が訪れる。
菜月は初期の乳がんだった。がん治療をして出産を諦めるか、このまま出産に臨むか。それは滴が抱えている状況そのものだった。
菜月は夫の山口拓哉(松田賢二)と考えぬいた結果、出産を諦め、がん治療に専念する決断を下す。
一方、大腸がんで入院している健の妻・優美子が出産する。ふたりは病院の人々の厚意で、院内でささやかな結婚式を挙げる。健は奇跡的な回復を見せ、退院していく。
悲しい別れもあった。白血病の友幸が亡くなったのだ。良介は友幸に頼まれた写真を父の田中幸広(鈴木綜馬)に手渡す。それは父が寂しがらないようにと撮られた友幸の笑顔の写真だった。
滴はがん治療をせず、何があろうと出産することを決める。
そんな滴のもとへ義母の路代が足のケガで入院してくる。病院で信頼を集める滴の姿を見て、普段は小言でクチうるさい路代にも心境の変化が訪れる。
がんが骨へと転移するも、覚悟を決めた滴の目指すところは赤ん坊を出産することだけだった。
そして出産の日がやってきた。無事に男の子が生まれ、「瞬太」と名付ける滴。
しかし、その出産と時を同じくしてミツ子も息を引き取る。ミツ子は赤ん坊のために編んだショールを滴に託す。
滴が隠してきた乳がんの再発は同僚に知られるところとなり、全身を検査すると、がんは肺にも転移していた。
良介とともに闘病生活が始まる。一年が過ぎても滴は病に負けなかった。瞬太の一歳の誕生日をお祝いする二人。
そして、桜の花びらが舞う頃、滴は息を引き取った。
それから良介はかつて学んだ医学の道に戻り、5年後、医師国家試験に合格した。瞬太(樋口海斗)は小学生一年生になった。
部屋には、滴、良介、瞬太と、彼らを支えてきた人たちとのたくさんの写真が飾られていた。(終)