『雲の階段』最終回までのネタバレ・結末

Memoroca

『雲の階段』最終回までのネタバレ・結末

雲の階段

タイトル水曜ドラマ「雲の階段」
初回 / 最終回2013年4月17日 / 6月19日(全10話)
放送局 / 時間日本テレビ系 / 水曜日 22:00
プロデューサー萩野哲弘、太田雅晴
原作渡辺淳一「雲の階段」
脚本寺田敏雄
演出猪股隆一、岩本仁志、吉野洋、日暮謙
音楽coba
主題歌B'z「核心」
スポンサード リンク

『雲の階段』最終回までのあらすじ・ネタバレ・結末

4月 / 1話・2話
5月 / 3話・4話・5話・6話・7話
6月 / 8話・9話・10話(最終回)

雲の階段のはじまり

 伊豆諸島の一つの島にある、美琴島村の美琴島診療所。
 人口500人にも満たないこの島。その唯一の医療施設には、その日、重傷の患者(野仲イサオ)が搬送されていた。
 慌ただしく看護師の鈴木明子(稲森いずみ)川合ゆかり(中別府葵)、ベテランの看護師長の垂水節子(キムラ緑子)が手術の準備をする。
 診療所の所長・村木英次(大友康平)が吉幾三の「雪国」を口ずさみながら患者にメスを向ける。痛みが走ったのか、患者が呻き声をあげる。
 村木は手術もそこそこに「三郎!」と名を呼ぶ。三郎とは事務員の相川三郎(長谷川博己)のことである。
 三郎、事務室で上司の宮坂静雄(半海一晃)、新婚の事務員・加藤真紀子(和泉佑三子)とともにその声を聞く。「すみません」と後ろめたそうに手術室へ向かう三郎。
 三郎はただの事務員で医師免許は持っていない。それにも関わらず、この診療所では三郎が手術を手伝うことが当然のようになっていた。
 事務室に薬剤師の高岡洋平(萩原聖人)がやって来る。誰も咎めないが、三郎が手術の助手をさせられていることには診療所の誰もが疑問を感じている。ただ一人、明子を除いては。

海岸で佇む女性

 手術は成功した。患部は足の開放骨折。村木はセオリーの創外固定ではなく牽引固定を選んだ。それは何故かと訊かれる三郎。
 三郎は「粉砕骨折の箇所があったから」と答える。「ご名答」と村木は予想していたかのように三郎の正答を褒める。三郎は事務室にいるが、日頃はずっと「外科学臨床講義」なる本を読んで外科手術を習っているのだ。
 外科手術をするキッカケは、趣味のボトルシップ作りだった。帆船の模型を瓶の中で完成させる工芸作品、その出来映えがあまりにも見事だったからだ。緻密な作業は外科手術と共通するところがあった。
 島民の中には三郎に信頼を寄せ、「若先生」という愛称で呼んでいる者もいる。
 ある日、三郎が明子の運転するクルマで外来から帰る時のことだった。
 海岸に若い女性が佇んでおり、三郎はクルマを停めさせた。海に身投げするのではないかと悪い予感がしたのだ。
 彼女は東京からの観光客だった。三郎が「ダメですから」と声をかけると、彼女は「ありがとうございます」と返事をした。

スポンサード リンク
鈴木明子と田坂亜希子

 三郎は村木の指示を受けながら、初めて単独で手術をすることになった。
 患者は腹部の痛みを訴える少年(石田竜輝)である。ためらう三郎の背中を押したのは明子だった。
 手術は無事に終了したが、手の震えが止まらない。「怖かった?」と明子が寄り添う。三郎は明子を抱く。夜が明けると、明子はもういなかった。
 翌日、村木が突然、熊本に出張すると言い残して出て行く。夜になり、激しい暴風雨が美琴島村を襲う。
 そんな中、診療所に腹部に激痛を訴える患者がやって来る。彼女は海岸に佇んでいた女性、田坂亜希子(木村文乃)という東京の女子大生だった。
 明子はこの患者が子宮外妊娠だと気付く。この緊急事態に村木はいない。三郎は取り乱し、様子を見ようと言うが、一刻を争う事態だという。
 そこに患者の父親・田坂雄一郎(内藤剛志)から電話がかかってくる。田坂は東京の田坂総合病院の院長だった。三郎は医師のフリをする。
 ようやく村木と連絡がつく。手術のプロセスを電話で伝える村木。弱気になっていた三郎だったが、このままでは患者が死ぬと言われ、手術を行う決意をする。

手術後

 手術が終わった。開腹した彼女の腹から血の塊を何度も取り出し、腹の中を引っ掻き回したすえに彼女の脈はふれなくなった。自分のせいで彼女は死んだと自責の念にかられる三郎。
 だが、手術は成功していた。がむしゃらに取り出した血の塊の中に死んだ胎児がおり、手術の目的は達せられていた。そのあと脈拍も回復したのだった。
 そこに再び亜希子の父・田坂から電話がかかってくる。三郎から手術の内容を聞いた田坂は適切な処置だったと評価する。
 目を覚ました亜希子は「私なんか助けてくれなくても良かった」というが、三郎の手を握ると「ありがとうございます」と感謝した。
 一方、田坂は娘の命を救ってくれた三郎が無資格医とは知らない。彼に興味を示すが・・・。
 (雲の階段 第1話「渡辺淳一究極傑作~無資格医背徳のメスを愛し抜く2人の女」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~)

無資格医の危機

 村長の武村健吉(ラサール石井)と宮坂は「医師免許を持った人材が必要」と話し合ったすえ、確かな腕があると見込んで医師の山中孝志(田中哲司)を美琴島診療所に呼び寄せる。山中は事務員の三郎が手術を執刀していたことを知ると、村で違法行為が容認されてきたことを咎め、「医者ってのは猿真似で出来るもんじゃないんだよ」と三郎を見下す態度をとる。
 しかし、山中は医師としては未熟であった。急性虫垂炎の手術でアッペ(虫垂炎)が見つけられず、動揺するあまり、手術ができる精神状態ではなくなる。三郎は山中に頭を下げさせ、手術を交代。アッペを見つけ、手術を成功させる。
 そんな中、帰京した亜希子が再び美琴島を訪れ、三郎に手術痕を改めて縫合して欲しいと頼む。亜希子は三郎に好意を抱いており、その再会で二人は急接近する。
 亜希子は院長の後継者の都合で、好きでもない外科医の野上雅樹(青柳翔)と婚約をしていたが、野上と別れ、三郎と交際をスタートさせる。
 娘の危機を救ってくれた三郎に恩義を感じる田坂は、三郎を田坂総合病院の医師として引き抜こうとする。「亜希子と結婚して婿養子となり、ゆくゆくは院長を継いでほしい」と未来図を描く田坂。三郎は無資格医ということを隠して、田坂総合病院の医師となることを決める。
 一方、何も告げず、東京に旅立っていった三郎に想いをめぐらす明子。明子は三郎の子供を妊娠していた。明子に想いを寄せる高岡は「俺が父親になる」と言い、彼女のもとを去っていった三郎を歯がゆく思う。
 田坂総合病院に来てまもなく、三郎は極秘入院している民自党の片岡幹事長の手術を執刀することに。完璧な手術をやり遂げた三郎は、田坂の妻で理事長を務めている田坂芳江(多岐川裕美)から賞賛される。
 しかし、事務局長の久恒和男(金田明夫)から医師免許証を提示するように言われ、三郎は凍りつく。「実家に置いてある」と言い、その場をやり過ごす三郎。そんな彼に美琴島の高岡から思わぬ連絡が入る。
 明子が流産し、失踪したという。明子の妊娠さえも知らなかった三郎は衝撃を受ける。
 (雲の階段 第2話「看護師VS令嬢! 無資格医が陥る禁断の三角関係」第3話「15分拡大急展開SP! 本物の医者登場で無資格医最大の危機!!」第4話「無資格医大病院へ! 裏切りと野望のキス」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~)

亜希子との結婚

 三郎は亜希子との結婚の許しを彼女の両親に得る。三郎と亜希子は結婚する。
 帰郷し、母の相川喜美枝(加賀まりこ)に結婚を報告するが、医師だと偽って現在に至った経緯を話すと、喜美枝はわが子の罪深さに慟哭する。
 東京での結婚披露宴に出席した喜美枝は「絶対に人を死なせちゃダメだ。もしもそういうことに巻き込まれたらどんなに無様でもいい。逃げ出しなさい。母さんが守ってやる」と言い残して帰郷する。三郎は母の心情を思い、むせび泣く。
 そんなある日、病院に出勤した三郎は新任の看護師を紹介され、我が目を疑う。その看護師は、失踪していた明子だった。
 (雲の階段 第5話「偽りの結婚式…母の涙に決死の心肺蘇生」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~)

現れた明子~無資格医の発覚

 三郎は田坂総合病院の副院長を命じられる。
 病院では三郎の評価が高まり、看護師の人気も熱い。将来は院長の座が約束されている。だが、明子の存在が恐ろしい。いつニセ医者だと暴露されるかと思うと不安で仕方ない。その矢先に「美琴島診療所に無資格医がいた」というウワサが広まり、三郎は動揺する。

 亜希子は、美琴島にいた明子が看護師として着任したことを知り、胸騒ぎを覚える。彼女を自宅に招き、三郎との満ち足りた夫婦生活をアピールすることで彼女を牽制する。帰り際、明子は身分を偽っている三郎に「もうやめた方がいい。逃げるのなら一緒に逃げてあげる。取り返しのつかないことになるまえに、どこか遠いところに・・・」と告げる。
 そんな中、事務局長の久恒のもとに「相川三郎について、調べてみてください」と書かれた差出人不明の怪文書が届く。インターネットで閲覧できる医師の有資格者のデータベースにアクセスした久恒は、とうとう三郎の秘密に気付いてしまう。
 三郎が最も恐れていた現実がついに訪れる。夜、田坂から病院に呼び出された三郎は、医師のデータベースを見せられる。当然、「相川三郎」という氏名は掲載されていない。
 すべてが終わったと思った瞬間、田坂から思いもよらない事実を告げられる。田坂はすでに三郎が無資格医だと知っていたという。以前、三郎が手術を執刀した民自党の片岡幹事長というVIP。彼から「相川三郎を主治医にしたい。経歴を教えてほしい」と要望を受け、三郎が卒業したという関東医大に問い合わせたところ、卒業名簿に名前がないことが発覚したのだった。もちろん医師のデータベースにも登録されていない。
 深刻なのは、無資格医である三郎がVIPの手術を執刀したという事実だった。田坂はこの事実を隠蔽するために、三郎にこれまで通りに副院長を続けように告げる。
 (雲の階段 第6話「棄てた女が復讐!?正体バラす謎の怪文書」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~)

禁じられた医療行為

 三郎は明子に正体がバレたことを話し、怪文書の差出人が明子ではないかと疑う。
 そんな中、亜希子は妊娠したことを三郎に告げるが、明子との関係を疑うあまり、三郎と口論になる。
 一方、美琴島から東京に来た高岡は、憎き三郎をじわじわと苦しめるために、山本竜二(やべきょうすけ)という男を探しだす。彼は三郎とバーを経営していたことがあり、三郎に売上金35万円を持ち逃げされたことがあるらしい。
 高岡にそそのかされた竜二は三郎のもとを訪ねると「お前の秘密をバラされたくなければ・・・」と脅迫し、金品を要求するようになる。
 三郎は精神状態が不安定な中、腹部大動脈瘤の人工血管置換術という未経験の手術を行い、患者を危機に至らしめる。我を失った三郎を野上が突き飛ばし、交代したことで手術は無事に終わるが、追い討ちをかけるように竜二がまた脅迫に訪れる。事務局長の久恒は竜二に多額の金を渡し、三郎に今後近づかないことを約束させる。
 田坂総合病院では大きな動きが。田坂が危険な手術をした三郎に今後一切の医療行為を禁じたのだった。
 田坂の決断の真意が読めない亜希子は、彼に詰め寄る。田坂が「彼は無資格医だ」と明かすと、亜希子はショックを受ける。一方、生きる意味を見出せなくなった三郎は美琴島で命を絶とうとするが、高岡に止められる。高岡は怪文書を送りつけたりした人物が自分であることを明かす。
 高岡は明子を捨てた三郎への憎しみと、身分を偽る道を選んだ彼を慮る複雑な心境から、すべてを終わらせようと三郎の右手を傷つけようとする。しかし、間一髪のところで明子が庇い、腕を負傷する。
 診療所で明子の腕の治療をする三郎。そこに村木が現れ、腹部に激痛を訴える。三郎は開腹手術をして村木を救う。
 この美琴島で原点を思い起こした三郎は、ある大きな夢に向かって再出発をはかる。それは田坂総合病院に高度救命救急センターを設立することだった。
 (雲の階段 第7話「最後は医者らしく…無謀なオペで大失態」第8話「俺に島の恩師の命を救う資格があるか!?」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~)

無資格医の発覚

 三郎は亜希子のもとを離れ、病院で寝泊まりしながら高度救命救急センターの設立に取りかかる。
 一方、田坂は理事長の芳江に三郎が無資格医だと告げる。だが、それを外科医の高宮麻里(市川実和子)に立ち聞きされてしまう。麻里は愛人の田坂から政界進出に備えて一方的に別れ話を切りだされたことに逆上し、三郎が無資格医であることをマスコミにリークする。すぐにマスコミを通じて三郎が無資格医だという疑惑が世間に広まり、病院に報道関係者が殺到する。
 高度救命救急センターの建設が進む中、野上を除く医師たちが隠蔽の疑惑が自分に向くことを嫌って次々と病院を離れていく事態に。そんな中、亜希子の妹・田坂沙希子(優希美青)から三郎に電話がかかる。亜希子と芳江が病院の建設現場で崩れた足場の下敷きになったという。重傷を負った亜希子が三郎の名を呼んでいると聞き、三郎は病院の手術室に急ぐ。
 一刻の猶予も許されない中、田坂は「手術をさせるわけにはいかない」と三郎の手術を拒絶するが、三郎は「みんな騙されていたことにすればいい」と言う。田坂は三郎の眼差しを見据えると、三郎の手術を許可する。
 (雲の階段 第9話「妻と胎児を救え!!逮捕直前のラストオペ」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~)

裁判~結末

 三郎と田坂による同時進行の手術は成功し、亜希子と芳江は助かる。その直後、三郎は待ちかまえていた刑事によって医師法違反容疑で逮捕される。
 田坂の記者会見が開かれ、田坂は「副院長が無資格医だとは知らなかった」と芝居を打つ。だが、芳江と亜希子たちは「真実を話して謝罪するべき」と考え、田坂に反発する。さらに、理事長である芳江はすべてを一からやり直すために、この病院を売却する契約を他者と結ぶ。芳江は田坂の態度次第では、地方に診療所を開設し、一緒に再びやり直そうと考えていたが、「誰のおかげで今、生きていると思っている」という彼の横暴な発言に失望し、離婚を突きつける。芳江から院長の職を解かれ、田坂は地位と家族を同時に失う。
 亜希子は自分を騙してきた三郎を恨めしく思いながらも、愛してきた三郎の存在が大きく心に残る。しかし、田坂家の跡継ぎであるお腹の中の赤ん坊は何の穢れもなく育てなければならない。拘置所を訪ねた亜希子は苦しい胸の内を隠しながら、三郎に離婚してほしいと話す。三郎はそれを受け入れる。亜希子はわが子を人の道に正しく育てることを誓う。その後、亜希子のもとには元婚約者の野上が現れ、彼女の力になろうとする。
 三郎の裁判が開廷する。三郎は美琴島にいた頃から村木と共謀し、無資格にも関わらず医師を続けていたことを認める。一方、美琴島では高岡が美琴島診療所の存続と、三郎・村木の減刑を求めて署名活動をする。三郎は有罪となり、懲役1年・執行猶予3年の判決が下る。
 三郎は明子に電話をかけ、許しを乞う。「許してもらえますか?僕が帰ることを」と。
 三郎のもとに田坂が現れる。無資格医である三郎と出会い、自らも権力の虜になったことですべてを失った田坂。静かな私憤を抱いて三郎の身体にメスを突き刺す。三郎の身体から夥しい量の鮮血が滴り落ちる。三郎、ベンチに座ったままゆっくりと目を閉じる。彼が深い傷を負っていることに道行く人々は誰も気付かない。
 一方、明子は美琴島で三郎の帰りを待ちわびるのだった。(終)
※最後、南の島で三郎が医療行為を続けるシーンが見られますが、その後のストーリーか、死の間際に三郎が見た幻想かはわかりません。
 (雲の階段 第10話・最終回「衝撃の結末!!無資格医の僕が帰る場所」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~)

※無断転載を禁じます。
スポンサード リンク

雲の階段