『空飛ぶ広報室』最終回までのネタバレ・結末

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『空飛ぶ広報室』最終回までのあらすじ ネタバレ・恋愛の結末 25分拡大放送

空飛ぶ広報室

タイトル日曜劇場「空飛ぶ広報室」
初回 / 最終回2013年4月14日 / 6月23日(全11話)
放送局 / 時間TBSテレビ系 / 日曜日 21:00
プロデューサー土井裕泰、磯山晶
原作有川浩「空飛ぶ広報室」
脚本野木亜紀子
演出土井裕泰、山室大輔、福田亮介
音楽河野伸
主題歌安室奈美恵「Contrail」
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『空飛ぶ広報室』最終回までのあらすじ・ネタバレ・結末

4月 / 1話(25分拡大)・2話・3話
5月 / 4話・5話・6話・7話
6月 / 8話・9話・10話・11話(10分拡大・最終回)

空飛ぶ広報室のはじまり

 2009年春、茨城県・航空自衛隊の百里基地。
 空井大祐(綾野剛)は戦闘機のパイロット。TACネームは 「スカイ」。その日、空井は上空でドッグファイトと呼ばれる戦闘訓練を行なっていた。
 ドッグファイトを終えた空井を出迎えるのは、上官の村瀬勝彦(池内博之)。この春から松島基地に配属される空井を激励しに来たのだった。
 F15のパイロットとして日本の空を守ること、そして何よりも松島基地の飛行チーム「ブルーインパルス」の一員になること、それが空井の夢でもあった。

稲葉リカ

 1年後の2010年春、東京。
 帝都テレビの稲葉リカ(新垣結衣)は、男性が多い撮影スタッフにも怯まず指示を出す情報局の強気な女性ディレクター。
 今日は夕方の生活情報番組「帝都イブニング」のコーナー「街角グルメ」のロケ取材。
 唐揚げ店「鳥苑」に訪れたリカは、撮影をめぐってカメラマンの坂手はじめ(渋川清彦)と衝突する。
 下町と都心のビルが同時に映る「社会性」を感じる映像が欲しいというリカに対し、「唐揚げに社会性はいらない」という坂手。
 そんな二人の間に藤枝敏生(桐山漣)が割って入る。藤枝は帝都テレビの男性アナウンサーで、リカと同期入社である。
 撮影後、リカが編集した動画をチェックするのはチーフディレクターの阿久津守(生瀬勝久)。動画を見た阿久津から唐揚げが美味しそうに見えないとダメ出しされ、リカは撮り直しを命じられる。
 さらに「働く制服シリーズ」のコーナーまで押しつけられることになった。女性ADの佐藤珠輝(大川藍)は働く制服シリーズの「山猫急便」の特集が大好きだと言うが、リカはこういったシリーズが気に入らなかった。
 何のために制服萌えや街角グルメなんかを特集しなければいけないのか、やりがいが感じられなかったのだ。
 かつて、リカは夢だった報道局で報道記者として働いていたが、取材のトラブルがきっかけでこの情報局に異動になった。
 そんなリカを任せられることになったのが上司の阿久津である。阿久津から「異動になったのは自分のせいだろ。給料分は働け」と諭され、リカはブツブツ愚痴をこぼしながら働く制服シリーズの取材で防衛省の航空自衛隊に行くことになった。

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航空自衛隊、空飛ぶ「広報室」のメンバー

 航空自衛隊の航空幕僚監部総務部・広報室。
 ここで勤務する面々は、今日から広報室に帝都イブニングの取材が入るという話でもちきりだった。
 そのメンバーとは広報室長の鷺坂正司(柴田恭兵)を始め、広報班の片山和宣(要潤)比嘉哲広(ムロツヨシ)、報道班の柚木典子(水野美紀)槙博巳(高橋努)たちだ。航空自衛隊の「伝える仕事」を担当している。
 ディレクターの性格に難ありという情報も耳に入っていた。広報室長の鷺坂はピンと直感し、ここに配属されたばかりで日頃から覇気がない空井2等空尉を担当にすると言い出す。
 リカが到着し、さっそく取材の打ち合わせを始める。リカは航空自衛隊を「空軍」と言い間違えてしまい、広報室のメンバーから勉強不足を嘲笑され、初日が終了する。
 取材2日目、この頃には鷺坂から「稲ピョン」というニックネームで呼ばれるようになったリカ。
 リカは報道局に戻るためには、自衛隊の隠された事件・事故といったスクープを取材することだと考え、何かネタはないか見つけようとする。
 そうした打ち合わせの最中、リカが戦闘機について「人殺しのための機械」だと表現した時のことだった。
「そんな物に乗りたいなんて、そんな願望を取り上げるのはちょっと・・・」
 その言葉に空井はたちまち激高し、そんなことのために乗っているわけではないとリカに怒号する。あの穏やかな空井が突然、声を荒げる。それはリカにとって思ってもみない光景だった。

空井の過去

 取材3日目、昨日は空井を怒らせてしまい、広報室に行くにも足が重い。トラブルで帝都テレビが防衛省に出入り禁止にでもなればおおごとである。一方、空井も片山からきつく注意を受けていた。
 リカは働く制服シリーズとは別に、ドラマ班からドラマ「報道記者、走る!」のために航空自衛隊に撮影を協力してもらうという仕事を任せられ、しぶしぶ広報室長の鷺坂に話を通してもらうことになった。鷺坂は航空自衛隊のPRになると判断し、快諾する。
 その時、リカは鷺坂からもらった航空自衛隊の広報誌が目に留まった。驚くことに広報室の空井がパイロットとして特集されていた。リカがネット検索するとすぐに当時のニュースが出てくる。空井は大型トラックの交通事故に巻き込まれ、右膝半月板を損傷し、パイロットの免許(航空従事者技能証明)を剥奪されたという。リカは思わぬ空井の過去を知り、絶句する。
 リカは空井を悲劇のパイロットとして取材することを決め、鷺坂から許可をもらう。この日からリカは付きっきりで空井を撮影するようになった。
 ドラマ「報道記者、走る!」のロケがスタートした。人気俳優のキリーこと桐谷隆史(桐谷健太)が現場に登場し、女性隊員たちは黄色い声援をあげる。
 しかし、ドラマのスタッフに不手際があり、白いヘルメットがないとドラマの辻褄が合わない事態に。しかも日没が近い。その時、空井は地元住民の災害レクチャーで白いヘルメットを使ったことを思い出す。
 広い倉庫でリカがヘルメットを見つけ、空井はダンボールに詰まれたヘルメットを持って走る。右足の痛みをこらえながら。
 空井が機転を利かせたおかげもあって、ドラマのロケは無事に終了した。そんな中、ロケを見物していた少年(大西利空)が目を輝かせながら松島基地の曲芸飛行隊「ブルーインパルス」の一員になるのが夢だと空井に話す。空井は幼い頃の自分の姿を重ねあわせ、涙を流す。リカはそんな姿を見て思わずカメラの撮影を止めた。
 空井の想いがあふれる。「どうして自分が・・・!」と。あの事故からブルーインパルスの一員になる夢は絶たれ、すべてが一変してしまったのだ。こんなはずじゃなかった、と。リカはそっと空井を慰める。
 翌日、リカは空井から「稲葉さんのために生きてみようと思います。そんな第二の人生もいいんじゃないかと思って」と突然、告白される。
 リカは恋の告白のたぐいかとドキドキするが、勘違い。空井は航空自衛隊についてリカに知ってもらうことを広報官の仕事として今後の目標としたいという。早速、基地と駐屯地の違いを解説し始める空井。リカは思わずボヤく。
「紛らわしいのよ、言い方が!」
 (空飛ぶ広報室 第1話「人生どん詰まりの二人…君の涙が私の未来を変えた」(25分拡大放送)の結末まで~あらすじ・ネタバレ~)

取材の打ち切り

 リカが航空自衛隊の空幕広報室に出入りするようになり、しばらくが経つ。リカは以前は文句を言っていた「街角グルメ」の取材にも真剣に取り組んでいる。広報室のメンバーとも親しくなり、空井とは両想いになった。
 そんな中、広報室のメンバーが作った航空自衛隊のプロモーションビデオが完成する。空井の知人の女性整備員・芳川秋恵(南明奈)をメインに撮影されたドキュメンタリー映像である。彼女の亡き父親が輸送機のパイロットだったことや、父親を尊敬して輸送機の整備員になったことが紹介されており、航空自衛隊の就職説明会で初公開される。
 しかし、公開されてまもなく、PVを「戦争賛美」と批判する寄稿文が新聞に掲載される。それはNPO法人、はたらく市民の会の代表者・小日向耕三(中村ゆうじ)が寄稿したもので、小日向は帝都テレビの番組「ニュースピープル」でも、PVの内容がヤラセであるかのように言い、批判を繰り返す。放送後、広報室は視聴者からの真偽を問う電話が鳴りっぱなしになる。
 この放送を受け、鷺坂は帝都テレビに抗議文を提出する。だが、帝都テレビは編成局・報道局が会議した結果、謝罪はしないという方針に決まる。リカは謝罪すべきという姿勢を示すが、阿久津は「ゲストの主張であり、番組の主張ではない」と言ってたしなめる。
 リカは苛立ちを抑えきれず、室崎報道局長(新井康弘)にPVが捏造ではないことを放送してほしいと直訴する。すぐにその無謀な直訴は阿久津の知るところとなり、航空自衛隊に一方的な肩入れをしていることを咎められる。そして、航空自衛隊への取材の打ち切りを命じられる。
 局内では、リカが航空自衛隊の隊員と恋愛関係であるがゆえ、彼らを擁護しているというウワサが立ちはじめ、リカや航空自衛隊の陰口を言う局員が現れ始める。そして、同期の香塚ともみ(三倉茉奈)からは思いがけない話を聞く。リカが番組制作から外される決定が下りかけたが、阿久津が止めてくれたという。自分の知らないところで守ってくれている人間がいることに気付くリカ。
 リカは空井に取材が打ち切られたことを告げる。「もう関係ないんです」と。突き放すようなリカの態度にショックを受ける空井。しかし、カメラマンの坂手からある映像を見せられた空井は気持ちを改める。そこにはリカが航空自衛隊の隊員のことを想い、局内で孤軍奮闘する映像が撮影されていた。
 (空飛ぶ広報室 第9話「つのる想い・あふれる涙」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~)

半年後

 リカが航空自衛隊の空幕広報室の取材を打ち切られ、半年が経った2011年2月。
 広報室は帝都テレビのドラマ「報道記者、走る!」の第4シーズンがスタートする話題でもちきりになり、広報室のメンバーはリカのことを思い出す。それは空井も同じで、半年前のリカの記憶が頭をよぎり、ふと物思いに耽るのだった。
 そんな中、「報道記者、走る!」の主演俳優・キリーこと桐谷隆史が、帝都テレビの特番「あなたの夢かなえちゃったりしちゃおうかな~どうしようかなスペシャル~」で、航空自衛隊の曲芸飛行隊・ブルーインパルスに乗員することが決定する。桐谷はドラマの撮影がきっかけで航空自衛隊のファンになったという。企画者の空井の要望により、帝都テレビからは顔なじみのカメラマン・坂手とアシスタントの大津裕一(前野朋哉)が撮影に参加することになった。
 撮影に向けて準備が進む中、いつもの居酒屋「りん串」では、定年を迎えて退官することになった鷺坂の送別会が行われる。そこに鷺坂の退官を知ったリカからDVDが届く。DVDを再生すると、放送されずにお蔵入りとなった広報室の密着取材の映像が映し出される。広報室のメンバーはリカの心情を思って涙する。空井はリカに手紙を送り、ブルーインパルスの撮影に招待する。「見に来てください。約束です」と。
 撮影日、宮城の松島基地を訪れたリカは空井と再会する。もうブルーインパルスには乗れないが、今は広報室の人間としてこの感動を多くの人に伝えることができる、と言う空井。リカは空井の変化をうれしく思う。二人は同じ空を見ながら同じ感動を分かち合う。
 鷺坂は退官し、多くの隊員に見送られながら航空自衛隊を後にする。そんな中、帝都テレビでは、桐谷がブルーインパルスに乗る夢を叶えた特番が高視聴率を獲得し、リカの密着取材の記録が注目されるようになる。阿久津から放送にそなえてVTRを編集しておけと言われ、リカは喜びを抑えきれない。まっさきにその喜びを宮城の松島基地にいた空井に伝える。
 ところが、翌日の3月11日、のちに「東日本大震災」と呼ばれる大災害が東北を中心に襲う。
 (空飛ぶ広報室 第10話「君の隣で見えた景色」の結末まで~あらすじ・ネタバレ~)

結末

 東日本大震災から2年余りが経った2013年4月、リカはブルーインパルスが2年ぶりに松島基地に帰還することを知る。そんな中、リカは阿久津から宮城の松島基地の取材に行かないかと勧められる。東日本大震災の時、被災地では何があったのか、その後はどう変わったのか、それを伝えるために。しかし、リカは取材する人間が自分でいいのかとためらう。
 リカは当時のことを思い出す。地震の直後、松島基地にいた空井から無事を知らせるメールが届いた。だが、それ以降、しばらくメールは途絶えた。
 1ヶ月ぶりにメールが届き、空井はずっと被災地の様々な活動に携わっていたことがわかった。3ヶ月後、空井から自らが志願して松島基地に異動することになったことを知らせるメールが届いた。メールには「もう連絡はしません、どうか幸せになってください」と書かれてあった。それ以来、空井とは連絡をとっていない。
 リカは航空自衛隊の空幕広報室を訪ねてみることにした。比嘉との再会をきっかけに、福岡に移った片山、妊娠中の典子、典子と結婚した槙たちが居酒屋「りん串」に一堂に会する。彼らはリカに松島基地の取材をしてほしいという。東日本大震災の取材をためらっているリカに「稲葉だからこそ行ってほしい」という典子。リカは松島基地に取材に行くことを決意する。
 リカは基地がある東松島市の矢本へ。そこで2年ぶりに空井と再会する。震災時、幸いにもブルーインパルスは福岡に移動していたことで全機が無事だったが、基地内の28機の航空機はすべて水没、隊員たちは被害に遭うのを傍観することしかできなかったという。現在は突発的に起こる災害に備えて航空機を即時移動するシステムが設けられている。リカは取材を進め、広報室長の山本(富澤たけし)から隊員たちが携わったという活動について聞く。
 自衛隊の隊員は、救助活動以外では私有地に入ることは許されない。しかし、隊員たちは私有地で清掃活動や瓦礫の撤去などを行なっていた。本来なら違反する行為だが、「基地からの流出物を捜索せよ」という名目で私有地に立ち入らせてもらっていたという。そういった記録や被災者の体験を知るにつれ、リカは自分の無力さが辛くなる。自分は何も伝えられていない、と。そんなリカを空井は慰めるのだった。
 取材中のリカのもとに定年退職した鷺坂が顔を出す。現在は各地で避難訓練のレクチャーなどをしているらしい。リカは鷺坂から、地震発生時、空井が無事を知らせるメールをまっさきに送ったのはリカだと聞かされる。リカはこの取材を通じて、2年前の空井からのメールにあった「どうか幸せになってください」という言葉の真意に気付く。
 あの震災時、空井は様々な活動に携わることで被災者のために今後も尽力することを決意した。だから、自らが志願して松島基地に異動した。空井はそんな自分の人生をリカに背負わせたくないと思い、「どうか幸せになってください」と送ったのだ、と。
 そんな中、リカは松島基地に帰還してきたブルーインパルスの飛行訓練が翌日に控えていることを知る。鷺坂や被災者の声を聞き、ブルーインパルスの復活を楽しみにしている人々に飛行訓練を見てもらうことを思いつく。原則として自衛隊は飛行訓練をイベントとして公開することはできない。だが、外部の者が、基地の外から飛行訓練を見物するのは何も問題がない。リカは市街地でビラを配り、ブルーインパルスの復活を待ち望んでいた一般の人々を見物に誘う。
 ブルーインパルスの飛行訓練が始まる。大勢の市民が集まり、ブルーインパルスに歓声をおくる。「あの日から時計の針が止まってしまった人はたくさんいる。それでも前に進もうとしている人たちがたくさんいる」と鷺坂。リカと空井の間で止まっていた時計の針が動き出す。ブルーインパルスが上空に描くバーティカルキューピッドに、2人はお互いを想い合ったかつての情熱を思い起こす。
 リカと空井は結婚する。空井は宮城、リカは東京で離れて新婚生活を始めるが、この空が繋がっているから寂しくはない。リカも空井も仲間たちも歩き出す。それぞれの幸せに向かって。(終)
 (空飛ぶ広報室 第11話・最終回「2年後の再会~二人で大空に描く未来」(10分拡大放送)の結末まで~あらすじ・ネタバレ~)

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