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BSN 新潟放送
株式会社新潟放送(BSN)は、新潟県を放送対象地域とするラジオとテレビの兼営放送局です。1952年に株式会社ラジオ新潟として設立され、1961年に現在の社名に変更されました。BSNは、ラジオではJRNとNRNのクロスネット局として、テレビではJNNの単独ネット局として運営されています。
BSNのラジオ放送は、AMラジオ(中波放送)とFM補完放送(ワイドFM)を行っており、主要なコールサインはJODRです。テレビ放送のコールサインはJODR-DTVで、リモコンキーIDは「6」を使用しています。これは、キー局であるTBSテレビと同じ番号です。
特筆すべき点として、BSNは特定地上基幹放送事業者としては唯一の、また地方ローカル局としても数少ない株式上場企業でした。東証スタンダード市場に上場していましたが、2023年6月1日に認定放送持株会社体制へ移行したことで、株式上場の特定地上基幹放送事業者としての地位を失いました。この移行は、民放テレビ局が4局体制の地域では初めての試みでした。
BSNのキャッチフレーズは「走り出せ、夢たち。」で、イメージキャラクターは「ハレッタ」です。系列新聞は新潟日報で、ラジオのローカルニュースは「新潟日報ニュース」という名称で放送されています。
BSNの歴史は、1951年に新潟日報社がラジオの民放設立を決定したことに始まります。1952年10月14日に株式会社ラジオ新潟として設立され、同年12月24日にラジオ放送を開始しました。その後、1958年12月25日にテレビ放送を開始し、ラジオ新潟テレビとして地上アナログテレビ本放送を始めました。
1959年には、当時のラジオ東京テレビ(現TBSテレビ)のニュースネットワークであるJNN(Japan News Network)に加盟し、全国ネットワークの一員となりました。1961年3月1日には、会社名と放送局名を現在の株式会社新潟放送(BSN)に変更しました。
BSNは、新潟県の放送文化の発展に大きく貢献してきました。1955年の新潟大火や1956年の弥彦神社事件など、地域の重要なニュースを迅速に報道してきました。また、技術面でも常に先進的で、1957年には地方局で初めて全時間モニター・オンエア同時録音を開始し、1962年にはテレビ放送用の2インチVTRを導入するなど、放送技術の向上に努めてきました。
現在、BSNの本社は新潟市中央区川岸町にあり、東京、大阪、長岡、上越に支社を置いています。テレビ放送ではデータ放送を実施しており、番組表サービス「Gガイド」を配信しています。
BSNは、地域に根ざした放送局として、新潟県の視聴者に質の高い情報とエンターテインメントを提供し続けています。ラジオとテレビの両方を運営することで、多様な媒体を通じて地域社会との強い結びつきを維持しています。また、株式上場企業としての経験を活かし、経営の透明性と健全性を保ちながら、放送事業を展開しています。
2023年の認定放送持株会社体制への移行は、BSNにとって大きな転換点となりました。この新しい体制のもと、BSNは今後も技術革新や社会貢献活動を通じて、地域のニーズに応える放送局としての役割を果たしていくことが期待されています。