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IBC 岩手放送

株式会社アイビーシー岩手放送(IBC岩手放送、英: Iwate Broadcasting Co., Ltd.)は、岩手県を放送対象地域とする中波放送(AMラジオ)およびテレビジョン放送事業を兼営する特定地上基幹放送事業者です。略称はIBCで、対外的にはIBC岩手放送と表記されています。IBCは岩手県や岩手日報社などが出資して設立されました。本社は岩手県盛岡市志家町6番1号にあり、東部支社は釜石市、中部支社は北上市、東京支社は東京都港区、大阪支社は大阪市北区、仙台支社は仙台市青葉区、八戸支社は青森県八戸市に位置しています。かつては一関市や花巻市、水沢市(現在の奥州市)、宮古市、大船渡市、二戸市、秋田県秋田市にも支局を設けていました。

IBC岩手放送のテレビはJNN系列で、ラジオはJRNとNRNのクロスネットです。ラジオ親局の呼出符号はJODF(盛岡 684 kHz)、テレビはアナログがJODF-TV(盛岡 6ch)、デジタルがJODF-DTV(盛岡 16ch)です。系列新聞は岩手日報で、ニュース名称は『岩手日報IBCニュース』です。IBCは以前からローカル番組制作に熱心で、多くの賞を受賞してきました。近年はインターネットやブロードバンドを活用した取り組みにも力を入れており、全国的にも注目されています。例えば、地域ニュースを配信する「IBCチャネル」サービスや「kikeruツールバー」の開発に携わっています。
正式社名は「株式会社アイビーシー岩手放送」ですが、外部では旧社名「岩手放送」も使用されることがあります。英略称と従来からある社名を組み合わせた社名に変更した最初の民放でもあります。このような社名は、NST新潟総合テレビやRSK山陽放送、RKB毎日放送、TVQ九州放送、KBS京都などにも見られます。隣県の秋田県にはJNN系列局がないため、秋田県からの生中継はIBC岩手放送と青森テレビ(ATV)、テレビユー山形(TUY)が担当しています。大事件などで対応しきれない場合は、東北放送やキー局のTBSテレビが担当することもあります。
IBC岩手放送は、2001年から収益の落ち込みに対する業務の効率化のため、営業・編成・制作・技術管理の各部門をラジオ・テレビ共通にするという組織形態にしましたが、2005年からはラジオ・テレビ別々の2部制に再編しました。また、2001年から局キャラクターが制定され、堅い印象のあった同局のイメージアップに貢献しています。キャラクターにはイタリア犬の“ちゃお”や“うの”、パンダに似た犬の“ぺそ”がいます。2006年にはデジタル放送をイメージした「おら」が新しく登場しました。
本社1階の「IBCホール&ロビースタジオ」は、家電製品フェアや各種行事、展示会の会場として地域に広く開放されており、『IBCラジオ・チャリティー・ミュージックソン』などの公開生放送にも使用されています。番組表(タイムテーブル)はラジオとテレビが表裏一緒になっており、年に4回発行されます。CM料金区分は「特A・A・特B・B・C」の5段階で色分け表記されています。
毎年、公開イベント「IBCまつり」を開催しており、ラジオ・テレビの公開放送や番組スポンサーの出店などが行われます。1986年に「ラジオまつり」として開始され、以後、長年本社敷地内で開催されていましたが、現在は会場を変えて開催されています。IBC岩手放送はテレビ放送における競合局である岩手めんこいテレビと比較的良好な関係を保ち、共同プロジェクトを展開しています。
ラジオ放送では、過去に『IBC TOP40』や『爆発ワイドラジオ新鮮組』などの人気番組を制作・放送し、現在も『朝からRADIO』や『ワイドステーション』、『大塚富夫のタウン』、『IBCラジオ・チャリティー・ミュージックソン』などの自社制作番組を持ち、支持を得ています。ラジオ開局から50年以上経過してもなお、県の面積に対して親局・中継局の出力が比較的弱く、難聴地域が多く残る状況が続いていましたが、特別な措置を取って対応しています。
2011年の東日本大震災発生後、IBC岩手放送は甚大な被害を受けた地域に情報を届けるため、臨時FM局「IBCやまださいがいエフエム」を設置し、2015年には通常の中継局に昇格しました。また、2015年には岩泉町小本地区などを対象に「IBC岩泉小本FM」中継局を開設するなど、受信困難地域の解消に努めています。東日本大震災復興支援の一環として、県外に避難している岩手・宮城・福島・茨城4県在住者がPCを通して地元の情報を得られるよう、2011年から2012年までの期間限定で日本全国に臨時配信されていました。

アナウンサー・気象予報士