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KSB 瀬戸内海放送

株式会社瀬戸内海放送(せとないかいほうそう、Setonaikai Broadcasting Corporation)は、香川県と岡山県を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者で、テレビジョン放送を行っています。略称はKSB(K.K Setonaikai Broadcastingの略)で、現在の愛称はKSB瀬戸内海放送です。この放送局は、高松市と岡山市に本社を構え、登記上の本店は高松市にあります。KSBはテレビ朝日系列のフルネット局で、コールサインはJOVH-DTV(岡山 30ch)、リモコンキーIDはテレビ朝日などと同じ「5」です。

KSBの本社は2箇所あり、高松本社と岡山本社の両方に報道・制作部門とテレビスタジオ設備がありますが、総務・人事部門などの本社機能、登記上の本店、テレビマスターなどの演奏所としての機能は高松本社に集約されています。高松本社は香川県高松市上之町二丁目に位置し、岡山本社は岡山市北区大供三丁目にあるKSB会館にあります。また、東京支社は東京都千代田区内幸町の帝国ホテルタワー13階、大阪支社は大阪市北区中之島の大阪三井物産ビル13階にあります。かつては広島支社も存在しましたが、2021年に岡山本社に統合されて廃止されました。
瀬戸内海放送は2020年に開局50周年を迎えるにあたり、関連会社のエフエム香川と共に高松市上之町に新社屋を建設し、移転を決定しました。この新社屋は地上4階建て、延べ面積約6598.87平方メートルで、設計はogawaa design studioが担当し、施工は大林組四国支店が行いました。2019年1月に着工し、2020年8月25日に竣工、2021年1月18日から業務を開始しました。この新社屋には、地域の生活者や社内外の多くの人々が交流し、協働できる環境デザインが採用されており、緑豊かな中庭に臨む開放的なエントランスホールには、地域コンテンツを制作するデジタルスタジオが設置されています。また、この新社屋からテレビ、ラジオ、リアルイベント、デジタルメディアを通じて役立つ情報や楽しい地域の話題を発信しています。「善いことの『ちから』に」を合言葉に、地域の人々にとって「善いこと」の「ちから」となれるメディア企業グループを目指しています。
瀬戸内海放送の沿革を見ると、1967年11月1日にアナログテレビ放送の予備免許を取得し、同年11月22日に株式会社新日本放送として設立されました。その後、1968年2月19日に商号を株式会社瀬戸内海放送に変更し、1969年4月1日にアナログテレビ放送を開始しました。当初の本社は高松市西宝町にありましたが、1970年1月1日にANNに加盟し、同年4月1日には岡山県内の拠点として岡山市に岡山支社を開設しました。1975年11月15日には小豆島中継局を開局し、これが岡山・香川両県の民放相互乗り入れ放送を促す一因となりました。
1979年4月1日には岡山県と香川県のテレビジョン放送の相互乗り入れが開始され、1983年12月20日には岡山市に岡山佐山中継局が開局しました。1984年には岡山市北区大供にKSB会館が落成し、金甲山送信所からの放送が開始されました。1990年には音声多重放送が開始され、2004年にはCI導入によりロゴマークと和文ロゴが変更されました。
2006年にはアナログ・デジタル統合マスターの運用が開始され、地上デジタルテレビ放送の試験放送が始まりました。2009年には地上デジタル放送によるマルチチャンネル編成の番組が放送され、2011年7月24日には地上アナログ放送が終了し、地上デジタル放送に完全移行しました。2020年には4代目のロゴマークと和文ロゴが導入され、高松市上之町に新社屋が竣工、2021年1月18日から新社屋からの放送が開始されました。
瀬戸内海放送は、その歴史と共に地域に密着した放送局として成長し、現在も地域の情報発信や交流の場として重要な役割を果たしています。

アナウンサー・気象予報士