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RKK 熊本放送

株式会社熊本放送(RKK Kumamoto Broadcasting Co., Ltd.)は、熊本県を放送対象地域とする中波放送(AM放送)およびテレビジョン放送事業を展開している特定地上基幹放送事業者です。略称はRKKで、1961年までの社名「ラジオ熊本」に由来しています。テレビはJNN系列、ラジオはJRN系列とNRN系列のクロスネットを構成しており、系列新聞は熊本日日新聞で、そのニュース名称は「熊日ニュース」です。ラジオ局のコールサインはJOBF、テレビ局のコールサインはJOBF-DTVです。また、予報業務許可事業者でもあります。

テレビ放送の電波は、佐賀県のほとんど、長崎県の島原半島、大分県の一部、宮崎県の一部、鹿児島県の出水市・阿久根市などにも届いています。ラジオ放送は全中継局で同一周波数放送を行っているため、夜間は西日本の広範囲で聴取可能ですが、九州内のRKBラジオ北九州中継局や、福岡県北東部、さらに東日本のLuckyFM茨城放送水戸本局、STVラジオの旭川、名寄、留萌、遠別、稚内各送信所では聴取が困難です。
同社のロゴは1984年4月1日に3代目ロゴマークを採用し、2012年12月31日まで単独で使用されていました。現在も正式なロゴとして、社旗や社屋看板、中継車に使用されています。地上デジタル放送開始前にはコールサインも独自の書体が用いられていました。2020年2月19日からは受信機表示アイコンに、2020年4月1日からはウォーターマークにこのロゴが再び使用されるようになりました。また、2022年4月18日からは、TBS NEWS DIGの運用開始に伴い、JNN加盟局サイト内のニュース配信ページが集約され、RKK NEWS DIGも運用開始されました。
2013年1月1日には開局60周年を迎え、新たなロゴマークが制定されましたが、略称ロゴは常時表示されています。2023年4月1日には開局70周年を機にブランドロゴが刷新され、新しいパーパスも策定されました。新たなパーパス「正しい情報で人々に安心を。楽しさと感動で熊本を明るく。」に基づき、「フュージョングリーン」という色がブランドカラーとして展開され、70周年のタグライン「それ、超えていこう。」が導入されました。このタグラインには、困難を一時的に乗り越えるのではなく“超”えることで次のステップへ進むという意味が込められています。
株式会社熊本放送は、TBS系列の古参局であり、大株主には文化放送やニッポン放送が名を連ねています。本社所在地は熊本市中央区山崎町で、熊本市電の慶徳校前電停から徒歩3分の場所にあります。社屋は森鷗外の小説「阿部一族」で知られる侍屋敷跡地に建てられており、1953年の開局時は熊本市上通町の熊本日日新聞本社に所在していましたが、1959年に現在地に移転しました。1999年に新社屋が完成し、旧社屋はRKK学苑の事務所として使われていましたが、RKK学苑の運営終了後に解体され、現在は駐車場に転用されています。
沿革としては、1951年以降、日本国内で民間放送局が相次いで開局しましたが、熊本での放送局設立は1953年にラジオ熊本株式会社として設立され、1953年10月にラジオ放送を開始しました。1956年にはテレビ放送局の免許申請が行われ、1959年にはアナログテレビ放送が開始されました。1961年に株式会社熊本放送に社名変更され、その後も様々な変革がありました。例えば、1965年にはラジオネットワークJRNに加盟し、1967年にはTBSとのテレビネットワーク協定を締結しました。1974年にはラジオカー「ミミー」を導入し、1984年にはコーポレートアイデンティティ(CI)を導入し、3代目ロゴマークが制定されました。
その後も、テレビ・ラジオの技術革新や、新しいメディアの導入が進められました。例えば、2006年にはハイビジョン対応の中継車が導入され、地上波デジタル放送が開始されました。2008年にはテレビ報道関係のハイビジョン対応が完了し、2009年にはインターネットやTwitterを使った新しい放送形態も取り入れられました。最近では、2021年に「RKKカルチャーセンター」が閉館し、2022年には「RKKまつり」がリアル開催で多くの来場者を記録しました。2023年には70周年を迎え、新しいブランドロゴとキャッチコピーが導入され、さらに2024年にはラジオのAM放送を停波し、FM転換を見据えた実証実験が行われるなど、進化を続けています。

アナウンサー・気象予報士