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KTN テレビ長崎
株式会社テレビ長崎(KTN)は、長崎県を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者であり、フジテレビ系列(FNN・FNS)に属しています。1969年4月1日に開局し、以来、長崎県内のテレビ放送を担ってきました。コールサインはJOWH-DTVで、本社は長崎市金屋町に位置しています。
テレビ長崎の社屋は、国道34号線と国道202号線を結ぶ道路の沿線にあり、かつて後藤象二郎の邸宅があった場所に建てられています。邸宅跡を示す石碑も建っており、歴史的な背景を持つ場所です。開局当初は2階建てでスタジオがなかったものの、後に3階以上の部分が増築され、2つのスタジオが設置されました。
開局当時のロゴマークは大文字で、一般公募で寄せられた優秀作に当時の美術担当者が手を加えたものでした。佐世保中継局の看板はロゴマーク変更後も旧ロゴのままでしたが、現在は現行のロゴマークに変更されています。
テレビ長崎は、西日本新聞グループ(TKU、TNC)や読売新聞グループ(FBS)と親密な関係を持っています。特に読売新聞グループは2020年7月時点でKTNの筆頭株主であり、読売新聞長崎県版のテレビ欄では民放の2番目に配列されています。しかし、フジテレビ(フジ・メディア・ホールディングス)はKTNの上位株主にはなっておらず、代わりに長崎国際テレビ(NIB・日本テレビ系列)の上位株主となっています。
1991年6月3日、雲仙普賢岳大火砕流災害が発生し、取材中のカメラマンら3人の社員が殉職するという悲劇がありました。この経験を風化させず後世に伝えるため、テレビ長崎では毎年6月3日に新入社員(契約アナウンサーを含む)を招いて研修会を行っています。
関連会社には「KTNソサエティ」があり、契約アナウンサーの派遣業務や放送業務、ビルメンテナンス、一般企業への社員派遣などの業務を行っています。また、ウォーターマークは通常KTNのロゴのみが表示されますが、クリスマスや正月には特別仕様のウォーターマークが表示されます。
長年にわたり、在日朝鮮人・中国人に向けた放送として、夕方のニュース番組で韓国語や中国語の同時通訳を行っていましたが、2010年3月10日放送分をもって終了しました。現在のニュース番組『マルっと!』では放送されていません。また、長崎特有のお盆に精霊船が練り歩く精霊流しの特別番組を組むこともありますが、録画放送で深夜帯に放送されることが多いです。
テレビ長崎は数々の受賞歴を誇ります。日本民間放送連盟賞では、2019年に『コッコデショ~平成最後の宝船~』でテレビエンターテインメント番組優秀賞を受賞し、2009年には『村の記憶~むかし医師ありけり~』でテレビ教養番組優秀賞を受賞しました。FNSドキュメンタリー大賞では、2016年に『潜れ~潜れ~対馬の海女さん物語』で大賞を受賞し、2015年には『五島のトラさん~父親と家族の22年』で大賞を受賞しています。
本社は長崎市金屋町にあり、佐世保支社、東京支社、大阪支社、福岡支社がそれぞれの都市に設置されています。これにより、広範囲にわたる情報収集と発信が可能となっています。
テレビ長崎の設立は1968年3月12日で、1969年4月1日に本放送を開始しました。当時は日本テレビとフジテレビのクロスネット局として運営されていましたが、1990年10月1日に日本テレビ系列を離脱し、フジテレビ系列のフルネット局となりました。この間、長崎国際テレビの開局が延期されたため、半年間はNNNの取材を福岡放送が担当していました。
テレビ長崎は、1967年9月に郵政省が長崎を含む全国17地区にUHFによる親局設置の方針を決定したことから始まりました。当時、衆議院議員だった金子岩三によって設立された「株式会社テレビ長崎」がVHF仕様で郵政省に開設申請書を提出しました。その後、UHF親局の認可方針が見えはじめた1963年から1965年までの間に6社が申請し競願となりました。郵政省の勧告により競願6社は1967年11月に「株式会社テレビ長崎」に一本化しましたが、資本構成は西日本・関西テレビ・金子グループ系と読売新聞・長崎新聞・農協系に二分されていました。
1967年11月14日に予備免許が交付され、1968年3月10日にホテルニュー長崎で設立総会が開かれ、代表取締役に真崎今一郎(長崎県農協中央会長)らが選出されました。1969年4月1日に本放送を開始し、当時はNNN・FNNのクロスネット局として運営されていました。
1981年3月21日にはテレビ音声多重放送を開始し、1986年7月14日には主調整室(マスター)を更新しました。1988年3月12日にはCIを導入し、ロゴマークと和文ロゴを変更しました。1990年10月1日にNNNを離脱し、フジテレビフルネット局となりましたが、長崎国際テレビの開局が延期されたため、日本テレビ系の一部の番組は1991年3月31日までネット受けにより放送を継続しました。
2006年9月4日には地上デジタル放送対応の主調整室(マスター)を更新し、12月1日に地上デジタル放送を開始しました。2009年1月5日には地上デジタル放送でウォーターマークの表示を開始し、2011年7月24日には全アナログ送信所・中継局が廃局されました。
テレビ長崎は、地域に密着した放送局として、長崎県内の情報発信を続けています。今後も、地域の声を大切にしながら、時代の変化に対応した放送サービスの提供が期待されています。