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KAB 熊本朝日放送
熊本朝日放送株式会社(KAB)は、熊本県を対象地域とするテレビジョン放送事業を行っている特定地上基幹放送事業者です。1989年10月1日に開局したKABは、平成新局のトップバッターの一つであり、熊本県では4番目の民放テレビ局です。KABは、コールサインJOZI-DTVで、ANN系列に属しています。
KABのキャラクター「ケービィー」は、開局15周年を迎えた2004年に採用されました。また、局のキャッチコピーは「Look」ですが、開局25周年を迎えた2014年4月からは「GO×GO25th KAB」となっています。送信所・中継局の大半は、日本テレビ系列の熊本県民テレビと共同使用しています。熊本県内の民放局で唯一ロゴマーク(ウォーターマーク)を変更していないことも特徴です。
本社は熊本市西区二本木1丁目5番12号にあり、2005年10月1日に現在の場所に移転しました。東京支社、大阪支社、福岡支社も設置されています。
1984年11月に熊本県に民間テレビ局第4波が割り当てられ、1986年9月29日より県が調整会議を進め、1988年10月5日に最終調整が完了しました。KABはテレビ朝日系列として、1988年11月15日に予備免許を交付され、12月15日に創立総会を開催しました。熊本県の民放第3局が日本テレビ系列であったことや、テレビ熊本がフジテレビ系を主体としていたことから、KABがテレビ朝日系列となるのは自然な成り行きでした。
社屋は1989年7月15日に竣工し、8月15日に試験電波を発射、9月22日に免許交付され、9月23日よりサービス放送を開始しました。2005年10月1日に新社屋からの本放送を開始し、地上デジタル放送に対応したマスターも稼動しました。これによりKABは「第二の開局」を迎えました。
地上デジタル放送の開始にあたって、有明海に面する4県の電波の混信、いわゆる「有明問題」が最大の課題となりました。デジタル放送のためのチャンネル確保作業やアナログ変換作業は難航し、KABが設置する中継局全69局のうち49局が対象となりました。
1989年10月1日にテレビ朝日系列局として開局したKABは、熊本放送(RKK)やテレビ熊本(TKU)がそれぞれTBS系列・フジテレビ系列のフルネット局となったこともあり、熊本県内では2番目の開局当初からのフルネット局となりました。KABのシンボルマークは「朝日」をイメージしたもので、県民の支持が一番多かったデザインが選定されました。2005年の社屋移転以降、マスコットキャラクター「ケービィー」に取って代わられ、使用頻度は減少しました。
深夜番組の放映に関しては、1990年代末までは消極的でしたが、2004年に門垣逸夫が社長に就任してからは積極的に放映するようになりました。例えば、『ドスペ2』や『水曜どうでしょう』、『草野☆キッド』などの番組を九州で初めてネットしました。2005年10月期には熊本地区でゴールデンの視聴率で初めてトップに立ち、2007年12月期には全日、ゴールデンタイム、プライムタイム、深夜の全てで視聴率1位を達成しました。
KABのアナウンサーは全員が報道記者も兼任しており、ニュースの取材、原稿作成、映像編集なども自ら行っています。そのため、報道系以外の自社制作番組での出演は少なく、地元のローカルタレントやフリーアナウンサーを多数起用しています。全国高等学校野球選手権熊本大会中継では、元TBSテレビの林正浩や元NHKの小野塚康之が実況で出演しています。
このように、KABは熊本県のテレビジョン放送事業を担う重要な存在であり、その独自性と地域に根ざした活動が評価されています。