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NTV 日本テレビ
日本テレビ放送網株式会社(Nippon Television Network Corporation)は、日本テレビホールディングスの連結子会社であり、関東広域圏を放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者としてテレビジョン放送を行っています。日本国内で最初に開局した民放テレビ局であり、日本の民放テレビ局においては最も古い歴史を持っています。一般的には日本テレビ(にほんテレビ)または日テレ(ニッテレ)と呼ばれています。コールサインは「JOAX-DTV」(東京 25ch)で、NNN・日本ニュースネットワークとNNS・日本テレビネットワーク協議会のキー局として機能しています。リモコンキーIDは「4」で、スカパー!プレミアムサービスをプラットフォームとして日テレジータスの放送を行う衛星一般放送事業者でもあります。
日本テレビ放送網は1953年8月に放送を開始しました。正式な社名は「日本テレビ放送網」であり、元々は一社で日本全国にテレビネットワークを形成することを計画して設立されました。1951年9月に読売新聞社の正力松太郎によって日本テレビ放送網構想が公表され、日本各地に直営局を持つ放送・通信網が想定されていました。1952年7月に電波監理委員会から予備免許を付与されましたが、免許方針では東京に2~3局、他の都市では1~2局を置局するとされました。しかし、1954年12月に衆参両院の電気通信委員会が民間へのマイクロ回線業務を認可しないとする決議を行ったことで、正力構想の実現は困難となり、関東広域圏の放送局としての方向性が定まりました。
日本テレビは放送業界において、新しい放送媒体・形式を積極的に早期導入し、その媒体を用いた放送を定着させてきました。放送免許取得や民間資本による開局・本放送開始はもちろんのこと、コマーシャル放送、カラー放送、音声多重放送(世界初)、ワイドクリアビジョン放送、洋画の日本語吹き替え放送、L字型画面、データ放送、ワンセグ放送独自番組放送、3D立体映像での生放送、ネット動画配信サービス、放送中のドラマ全話無料配信も日本の民間放送では日本テレビが初めてでした。スポーツ中継においても、プロ野球中継のセンターカメラの導入や、王貞治のためのホームランカメラの導入、審判カメラの導入など、他局に先駆けて新たな中継技術を開発しました。
また、環境問題にも積極的に取り組んでおり、2003年3月に「日テレ・エコ委員会」を発足させ、在京民放キー局として初めてISO 14001の認証を取得しました。2004年からは毎年6月5日の世界環境デーを含む1週間を「日テレ系ecoウィーク」と題し、期間中は番組やイベントを通して環境問題を提起しています。
日本放送協会(NHK)と連携する機会も多く、2010年には「つなげよう、ecoハート。」、2021年には「国際ガールズ・デー」をテーマにコラボレーションして啓発キャンペーンを実施しました。また、2013年のテレビ放送開始60周年、2018年の65周年、2023年の70周年には共同で特別番組を制作し、両局で放映しました。
スタジオジブリとの関係も深く、同社の作品をほぼ独占的にテレビ放映する権利を持っています。2023年10月にはスタジオジブリの株式の4割超を取得し、子会社化することを発表しました。さらに、日本テレビのマスコット「なんだろう」も宮崎駿が手掛けたものです。
日本テレビは現在、民放キー局の中で唯一時代劇や2時間ドラマの制作を行わず、再放送枠も設けていません。そのため、ドラマ番組は自社系の衛星放送(BS日テレ・日テレプラス)での再放送がメインとなっています。しかし、バラエティ番組については土曜・日曜の14~16時台に再放送されることが多く、ドラマ番組も同枠で再放送されることがあります。
また、映画事業や通販事業、イベント・文化事業などによる放送外収入も拡大しており、海外事業による収入も増加しています。『全日本仮装大賞』や『そっくりスイーツ』といった自社制作番組のフォーマット販売も積極的に行っており、海外販売で最も大きな売上を占めているのは『¥マネーの虎』で、これまでに番組フォーマットが50か国に輸出されています。
映画事業に関しては、スタジオジブリ作品や『名探偵コナン』シリーズ、細田守監督作品などのアニメ映画のほか、『デスノート』・『20世紀少年』シリーズ・『カイジ』シリーズ・『GANTZ』などの実写化も手掛けています。
データ放送では鉄道運行情報を表示しており、JR東日本線の運行情報を表示しているテレビ局でもあります。また、『歌スタ!!』は在京キー局の中で最初にデータ放送を導入した番組です。