スポンサードリンク

純情きらり 第14週「若女将の試練」

 桜子 (宮崎あおい)は山長で女将修行を始めた。
 教育係のタミ (阿知波悟美)から厳しい指導を受ける桜子。店員のおふみ (藻田るりこ) から身に覚えのない失敗をなすりつけられ、窮地に立たされてしまう。
 さらに、議員の接待当日、目玉の味噌料理をつくる予定だったタミがギックリ腰に。
 そんな折、桜子は達彦 (福士誠治)が幼少時代に誘拐されたことがあるという過去をかね (戸田恵子)から聞かされる。達彦を誘拐した人物というのはタミだというが・・・?


純情きらり 第14週「若女将の試練」 第79回 7月3日 (月)

 桜子 (宮崎あおい)の味噌蔵元「山長」での女将修行が幕を開けた。
 その時代、政府は八丁味噌の統制価格を大幅に引き下げようとしている最中で、統制価格が下がれば、山長は経営が傾いてしまうという深刻な問題に差し迫っていた。そして、山長では統制価格の引き下げを食い止めるために、数日後に議員の接待が予定されている。
 桜子が女将修行を始めた当日は、八丁味噌の今後について味噌組合の会合がおこなわれることになっていた。ところが、会合の準備をしていた桜子は応接間の掛け軸を季節に不釣合いな掛け軸に無断で掛け替えてしまい、大目玉を食う。
 それでも無事に会合は終わり、一安心するかね (戸田恵子)のもとに達彦 (福士誠治)から手紙が届く。しかし、手紙に書かれていることは桜子を気遣う言葉ばかり。直りかけたかねの機嫌もまた悪くなる。
「まさかとは思いますが、女将修行などという名目で店の手伝いをさせるようなことはしていないでしょうね。入営まえの約束はぜひお守りいただきたく、重ねてお願い申し上げます・・・」
 達彦の心配は的中していた。その頃、桜子は慣れない薪割りを押し付けられて悪戦苦闘しているところだった。すると、そこへキヨシ (井坂俊哉)が現れ、桜子の代わりに手際良く薪を割っていく。桜子は制止しようとするが、キヨシは桜子の味方だと言うと次々と薪を割っていき、あっという間に薪割りは片付いてしまった。
 そして夕暮れ時のこと。屋敷に戻ってきた桜子は、かねが激しい剣幕でタミ (阿知波悟美)を達彦の部屋から追い出している場面を偶然見かけてしまう。
「あんたに達彦のもん触る資格なんかないよ!18年前にあった事、私は忘れたわけではないからね」
 立ち尽くすタミの背中を見つめる桜子。かねとタミの間に何があったのか、桜子はまだ知らない。


純情きらり 第14週「若女将の試練」 第80回 7月4日 (火)

 桜子はかねから呼び出され、昨日の薪割りを誰にやってもらったのかと問い詰められる。キヨシは正直に名乗り出るが、この様子を陰でのぞいていた店員のおふみ (藻田るりこ) はおもしろくない。おふみはキヨシに思いを寄せているが、まったく脈がなく、キヨシが何かと肩をもつ桜子に嫉妬心を感じ始めていたのだった。
 そして、昼下がり。桜子のもとに徳治郎 (八名信夫)が一通の手紙を渡しに訪れる。差出人は達彦である。桜子はかねを気遣う手紙の文面から達彦の母に対する愛情を感じる。その達彦に関して、桜子は一つだけ気がかりなことが。それはタミと達彦の関係性である。そんな折、桜子は達彦の部屋で、幼い頃の達彦とタミが一緒に写っている写真を見つける。
 一方、おふみは桜子への嫉妬を募らせていた。相変わらずキヨシが桜子に好意的に接する様子が気にいらない。おふみは桜子が帳簿から目を離したすきに、帳簿のまえに座った。視線の先には、「三河屋 1樽」という注文書きが書かれてある。筆をとったおふみは……。
 やがて、夕方になり、山長は思わぬ受注ミスで揺れることとなる。三河屋から1樽と注文されたところ、あろうことか10樽の味噌を届けてしまったという。桜子は自分が付けた帳簿のミスとあって、かねから叱責されるが、まったく心当たりがない。注文書きを見ると確かに「10樽」と書いてあるが、桜子の目には不自然に数字が書き加えられたように感じられた。ふと、その時、おふみが帳簿を手伝おうとしていたことが頭をよぎる。
「・・・ここ、書いたのはふみさんです」
 桜子の言葉に反応して、一斉に疑惑の目がおふみに向けられる。ところが、おふみは身に覚えのないことだと味噌職人たちのまえで泣きじゃくる。結局、桜子の誤解は解けず、この一件で桜子は微妙な立場に立たされることになる。


純情きらり 第14週「若女将の試練」 第81回 7月5日 (水)

 店の者に責任をなすりつけたとあって、桜子に対する山長の者たちの態度はあからさまに冷たくなった。さらに、たとえ真相がわかっていても、若女将が店の者に責任をなすりつけることなどあってはならない・・・、桜子はかねから女将修行の終了を言い渡され、早々と山長を去ることになった。
 それでも最後に何かの役に立ちたい、桜子はその一心で味噌蔵のキヨシのもとへ行き、仕込みを手伝わせてほしいと志願する。
「しょげることはないです。女将さんは難しい人ですので」
 桜子は職人頭の仙吉 (塩見三省)からの励ましにようやく笑顔を取り戻すが、その矢先、意外な人物が桜子に店を手伝う機会を与える。
 それは桜子の奮闘ぶりを見て心を打たれたタミだった。タミは数日後に控える議員の接待を桜子に手伝わせるという。こうして桜子は接待に備えて、再び朝から晩までタミに指導を受けることになった。
 そして、接待当日の明け方のことだった。桜子はタミの悲鳴で目を覚ます。桜子が駆けつけると、タミは腰を痛めてうずくまっていた。


純情きらり 第14週「若女将の試練」 第82回 7月6日 (木)

 タミがギックリ腰によって料理ができる状況ではなくなってしまい、タミの腕を買って山長に呼び寄せたかねは困惑する。
 かねは仕出し料理で接待を切り抜けようとするが、桜子は仙吉とともに "味噌料理を出さなければ味噌屋の接待の意味がなくなってしまう" と訴える。そして、桜子はタミの特訓通りに料理をつくれば理想に近い味ができると言い、かねたちはその意気込みにおされ、桜子の自信に賭けてみることを決断。桜子はお清 (福田らん) とお由美 (柳下季里) の協力を得て、厨房で味噌料理をつくることになった。
 そして、夕方。山口議員 (真実一路) と秘書 (窪園純一) が訪れ、山長の命運を賭ける接待が始まった。だが、桜子の料理はやはりにわか仕込みでしかないのか、山口議員たちは特に感想も述べず、黙々と料理に箸を伸ばす。
 そんな桜子にも切り札と呼べる一品があった。それは「鹿の子寄せ」という味噌だれをつかったお菓子で、達彦も大好物だったという一品である。だが、鹿の子寄せは何とか形になったものの、どうしても納得のいく味にはならない。
「タミさんと同じ味につくれるように一生懸命がんばったけど、無理だった。やっぱりタミさんの代わりはできん」
 桜子があきらめかけたその時だった。布団で横になっていたタミが肩を貸してくれという。
 そして・・・、タミは痛む腰にかまわず鹿の子寄せをつくり、山口議員はそれを絶賛する。さらに、山口議員はそれまでの料理も褒め讃え、上機嫌で帰っていく。そして、その夜、山長では、
「喜んで下さい。お二人とも満足してお帰りになりました!」
 かねが接待の成功と桜子の手柄を報告すると、山長は拍手喝采に包まれる。山口議員は八丁味噌の素晴らしさを知り、統制価格を原価割れさせないように大臣に進言してくれるという。
 そして、接待が無事に成功したその夜のこと。タミが翌日に山長を去ると言いだす。しかし、かねはタミを引き止めようともせず、冷たく突き放す。
 タミが18年前に山長で働いていた頃、達彦と親しかったということに気付き始めていた桜子は、タミを入営中の達彦と面会させてあげてほしいとかねに懇願する。しかし、かねは首を縦には振ろうとしない。それどころか、かねは思いもよらないことを口にする。
「あの人は18年前、達彦を拐 (かどわ) かしたんだよ。私に暇を出された腹いせに達彦を連れ出して、自分の田舎に引っ張っていったんだよ」


純情きらり 第14週「若女将の試練」 第83回 7月7日 (金)

 かねによれば、18年前、達彦が行方不明になり、山長は大騒動になったという。そして、その時、達彦を連れ去った犯人がタミだというのである。
「タミさん、本当なの?あの話・・・」
 部屋に戻った桜子がタミに訊ねると、タミはその通りだと認める。しかし、仙吉は若女将の桜子には真実を教えようと言い、すぐにそれが事実ではないことがわかる。
 真相は達彦がタミを恋しがって自分からタミについていったのだという。しかし、タミは達彦が自分を母親のように慕うことで、かねが傷ついてしまうのではないかと思い、自分が連れ去ったことにしてほしいと仙吉に口止めしたのだった。その時、廊下では18年経って初めて真相を知ったかねの姿が……。
 その翌朝、山長を去っていくタミを桜子が見送ろうとしていると、かねが姿を現す。そして、タミを引き止めると、達彦に会ってほしいという。
「悪かったわ、あんたには本当に悪いことをした・・・」
 かねはタミに辛くあたったことを詫び、二人はお互いに涙を流しながら手をとりあう。18年間のわだかまりは解け、かねは桜子とタミをつれて達彦がいる豊橋の兵舎を訪れた。
 桜子にとっても久しぶりの達彦との再会である。実はこの面会に備えて昨夜、桜子はタミに手伝ってもらい、達彦の大好物である鹿の子寄せを用意していたのだった。達彦は思い出の味に感激する。
「おタミがよく作ってくれたんだ。この味は忘れられん」
 それまで背を向けていたタミだったが、その言葉についにタミは感極まって嗚咽を漏らす。
 すると、"おタミ・・・!"、達彦が初めてタミの姿に気付く。
 18年ぶりの再会・・・、長い歳月が溶けて消えたかのように、二人は寄り添い合っていた。


純情きらり 第14週「若女将の試練」 第84回 7月8日 (土)

 桜子は達彦と近況を伝え合い、豊橋を後にした。
 達彦の願いは桜子に山長を手伝ってもらうことではなく、音楽を続けてもらいたいということである。桜子は達彦がくれた作曲のテキストを参考にしながら、作曲の勉強を始めることにした。そして、豊橋にいる達彦に自作の楽譜をおくり、達彦と文通をする日々を続けた。
 それから、しばらくが経ったある日。
 マロニエ荘の住人・八重 (原千晶)守田 (若林久弥)という芸術家とともに有森家を訪れ、守田は冬吾 (西島秀俊)に東京で新しい芸術の波を起こそうと提案する。しかし、冬吾は妊娠中の笛子 (寺島しのぶ)を気遣い、その誘いに断りを出す。
 当時、すべての芸術の発信地は東京だった。芸術家たちが刺激を求めて東京に押し寄せる時代に、冬吾を岡崎に居させても良いものか、冬吾は本心では東京に行きたいと思っているのではないか、と笛子は気にかけていた。
 そんなある日、桜子宛てに思ってもみない手紙が届く。それは桜子の才能を見抜いていた東京音楽学校の西園寺 (長谷川初範)からだった。手紙によれば、達彦の推薦で桜子作曲の楽譜が送られてきたという。
「・・・ もう一度、東京で音楽の勉強をやり直すことは考えられないのでしょうか。達彦君はきみの才能が埋もれるのを心から心配しています。・・・ その思いは僕も同じです」
 東京へ来ないかという西園寺の手紙、その言葉は思いがけず、桜子の心に強く響いたのだった。


次週予告

来週は「別れのコンチェルト」

山長の仙吉です。
桜子さんの家では、冬吾さんと笛子さん、さらには杏子さんにまで東京へ行く話が持ち上がります。
そして、山長ではとうとう八丁味噌を作れなくなってしまいます。
ついに達彦坊ちゃんが外地へ出征する日がやってきます。
純情きらり、見て下さい。


純情きらり 第14週「若女将の試練」 今週からの出演者とゲスト

守田敏若林久弥

松井達彦 (幼少時代)萩原駿行
* (味噌組合の者)中山克己
* (味噌組合の者)森喜行
* (味噌組合の者)伊藤順
山口議員真実一路
* (秘書)窪園純一
出演者協力若駒


スポンサードリンク


[不適切にもほどがある][アイのない恋人たち][EyeLoveyou][さよならマエストロ][さよならマエストロ][春になったら][プライバシーポリシー]