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純情きらり 第15週「別れのコンチェルト」

 冬吾 (西島秀俊)のもとに「東京に来て新美術協会のリーダーになってほしい」と八州治 (相島一之)が依頼に訪れる。
 冬吾は妊娠中の笛子 (寺島しのぶ)を気遣って断ることに。が、笛子の一言によって新美術協会のリーダーになることを決め、笛子と東京に住むことになった。時を同じくして、杏子 (井川遥)も看護の職を学ぶために東京に住むことになり、有森家の姉妹は離れて暮らし始める。
 そんな中、山長は八丁味噌の製造中止を余儀なくされる。八丁味噌の統制価格が原価割れする値に決定したためだ。
 だが、ここで山長を終わらせるわけにはいかない。桜子 (宮崎あおい)は八丁味噌の腐りにくい特性をアピールすることで、海軍省に八丁味噌を購入してもらえるのではないかというアイデアを思いつく。
 その矢先、入営していた達彦 (福士誠治)が出征するという知らせが届く。見送りの日、桜子は海軍省との交渉のために一旦、東京に出向き、すぐに岡崎に戻る予定だったが、帰りが遅れてしまう。そして、桜子が姿を見せないまま、達彦は出発の時を迎える。


純情きらり 第15週「別れのコンチェルト」 第85回 7月10日 (月)

 桜子 (宮崎あおい)は東京に来ないかという西園寺 (長谷川初範)からの誘いを断ることにした。山長の若女将になった以上はやはり岡崎に留まるべきだと思ったからである。
 一方、冬吾 (西島秀俊)は昔のように洗練された絵を描けていないことを美術誌記者の平山 (針原滋) から指摘される。冬吾は岡崎にいることが何よりも幸せだと話しながらも、画家の感性が鈍りかけていることを感じ、焦燥し始める。そして、その矢先、美術誌にマロニエ荘時代の旧友・八州治 (相島一之)による冬吾の停滞ぎみの画家活動を批判する記事が掲載され、冬吾の心をかき乱す。
 そんな中、東京に来る気配のない冬吾にしびれを切らした八州治がマリ (椋木美羽)とともに有森家を訪れる。


純情きらり 第15週「別れのコンチェルト」 第86回 7月11日 (火)

 八州治は先日、有森家を訪ねた守田 (若林久弥)ら (第14週 (84) ) と結成したばかりの「新美術協会」のリーダーになってくれと冬吾に打診しに来たのだった。しかし、冬吾は妊娠中の笛子 (寺島しのぶ)を気遣い、東京には行かないと八州治の誘いを断る。
 だが、八州治たちもすんなりと引き下がるわけにはいかない。八州治は酔いが回った勢いに乗じて、冬吾の描いた絵をつまらないと吐き捨てる。
「この屁みたいな絵!笑っちまうよ!こいつは東京じゃもっといい絵描いてたんだよ。俺が逆立ちしたってかなわない、胸がざらつくような絵だよ」
 しかし、冬吾は何も答えない。すると、じっと黙って聞いていた桜子が口を開く。冬吾のことを思うなら笛子も東京に行くように促すべきだ、それが桜子の率直な意見だった。
 だが、笛子は本心では冬吾と東京に行くことを考えたことがないわけではなかった。冬吾が東京行きを望んでいることにも薄々気付いていた。しかし、以前、桜子の東京音楽学校への入学をあきらめる原因をつくったのが自分だという責任から、東京行きを言いあぐねていたのだった。
 その桜子が東京へ行くようにと勧めているとあって、笛子もようやく決心がつく。おまけに冬吾をあからさまにけなされては黙ってなどいられない。
「・・・わかった。そこまで言うんなら東京に行こうじゃない」
 冬吾が日本一の画家になることが自分の夢だ、笛子はそう言って冬吾の背中を押す。
 すると、そこへ杏子 (井川遥)があらわれ、杏子も東京に行くという。杏子は逮捕騒動 (第12週 (70) ) 以来、満足に助産師の仕事を出来る状況ではなくなってしまい、看護の職を学ぶために東京行きを決断したのだった。だが、桜子があきらめた東京へ行くことに杏子も後ろめたさがないわけではない。
「ごめんね、桜ちゃん。笛姉ちゃんと一緒に行くのは心苦しいんだけど」
「そんなん気にしんで。私は寂しくなんかない、大丈夫だで。二人は心配しんで、しっかりやってね」
 こうして、翌日、笛子たちは東京に旅立っていった。
・・・ 本当は寂しい気持ちがないわけではなかった。自分がかつて涙をのんで行くことをあきらめた東京に、姉たちが行くことを羨ましいと思う気持ちが微塵もないとは言えなかった。
 それでも、そこに音楽がある限り、空にはいつもと同じ月が不思議に明るく輝いていた。


純情きらり 第15週「別れのコンチェルト」 第87回 7月12日 (水)

 冬吾の東京行きの一件が解決した矢先、山長では新たな問題が持ち上がる。
 議員の接待 (第14週 (82) ) が成功したにも関わらず、国会で八丁味噌の原価割れが決定したという。これによって大豆の仕入れ値を補えるだけの売り上げが見込めなくなってしまい、山長の赤字は確実となった。何か手を打たなければ店を閉めなければならない、女将のかね (戸田恵子)の言葉が桜子と味噌職人たちに重くのしかかる。
 そんな中、徳治郎 (八名信夫)が味噌蔵に現れ、突然、味噌を水で薄め始める。味噌の量を増やすための最後の手段だった。と、そこへ職人頭・仙吉 (塩見三省)が血相を変えて止めに入る。
「こんなものは味噌じゃない!あんたは職人の誇りっちゅうもんを忘れたのか」
 しかし、徳治郎も味噌の味を落とすことは本意ではない。味を落としてでも店をつぶしたくない、その一心で起こした行動だった。
 一方、かねは山口議員のもとを訪れ、原価割れの見直しを直訴、"国会に働きかけてくれないか" と再び交渉するが、結局聞き入れられず、肩を落として帰ってくる。
 そして、これで万事休すかと誰もがあきらめかけたその時だった。キヨシ (井坂俊哉)が思いがけない吉報を持ち帰ってくる。なんと、座礁した朝鮮船から大豆が見つかり、保存状態の良いまま格安の値段で仕入れることができるという。しかし、都合のいい話には裏があるはず。かねと仙吉の意見によって、その話は見送るという決断が下った。
 その時、桜子にはキヨシが何かに焦っているように感じられた。山長のために奔走するのはわかるが・・・、すると、キヨシは桜子だけにその答えを告げる。
「昨日、赤紙が来た……。若女将にだけは言っておきます。俺、10日後に入営します」


純情きらり 第15週「別れのコンチェルト」 第88回 7月13日 (木)

 キヨシは山長が深刻な状況にある中、仲間に余計な心配をかけたくないという思いから、入営することを黙っていたのだった。そして、キヨシは店を救いたいと焦るあまり、かねたちに黙って朝鮮船の値崩れした大豆の交渉に乗り出してしまう。
 そして翌日の夕方のことだった。やくざ風の男たちがキヨシを連れて山長へやって来た。暴力をふるわれたのか、キヨシの頬には青アザが残っている。話によれば、キヨシが大豆の代金を払っていないのだという。しかし、男たちがキヨシに売りつけたのは大豆といっても脱脂大豆、家畜の肥料に使われるような油をとった搾りかすだった。
「わしは手ぇ 出すなと言ったはずだ。お前の尻ぬぐいで、女将さんは金払わされたんだぞ。・・・お前はクビだ」
 仙吉はキヨシの身勝手な行動に激怒し、解雇を言い渡す。しかし、桜子はキヨシに召集令状が届いたことを明かし、山長存続のためにやったことだとキヨシの気持ちを代弁する。
 そして、翌日。かねたちが脱脂大豆の処分に困り果てているところに、キヨシが現れ、不始末を詫びて山長を去ろうとする。
 その時だった。桜子が脱脂大豆で味噌をつくることを提案する。苦肉の策かもしれない。味も八丁味噌には遠く及ばないかもしれない。だが、どんな状況下でも味噌をつくりたいと思う気持ちを失わない限り、山長が復興する機会はいつか訪れる……。
 桜子の熱意に動かされ、翌日から試験的に創業以来初めてとなる脱脂大豆の味噌づくりがおこなわれることになった。
 折りしも、その日は山長が八丁味噌の製造中止を決定したという社告が新聞に掲載された日だった。
 店頭には残りの八丁味噌を求めて行列ができ、山長は大勢の客でにぎわう。


純情きらり 第15週「別れのコンチェルト」 第89回 7月14日 (金)


純情きらり 第15週「別れのコンチェルト」 第90回 7月15日 (土)


次週予告

来週は「磯おばさんの秘密」

有森磯でございます。
桜ちゃんは笛ちゃんの出産のため、東京に行くことになり、私も後を追い出産に立ち会います。
マロニエ荘では冬吾さんたちが展覧会の準備で大忙しですが、そこで私は思いがけない人と出会います。待ちに待った展覧会当日、冬吾さんたちのまえに特高警察が現れます。
純情きらり、来週もお楽しみに。


純情きらり 第15週「別れのコンチェルト」 今週からの出演者とゲスト

平山針原滋
母親奏谷ひろみ
* (客)熊谷祐子
星野晃
岩手太郎
岩田丸
森永健司
* (客)河野うさぎ
* (客)披岸喜美子
木村少佐長谷川公彦
兵士木幡竜
出演者協力静岡県川根町のみなさん


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