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純情きらり 第2週「ピアノがやって来た」

 桜子 (宮崎あおい)は音楽家の西園寺公麿 (長谷川初範)と対面する。卒業後は西園寺が講師を務める東京の音楽学校に行きたいという思いを強くした桜子は家族にそのことを話すが、笛子 (寺島しのぶ)たちから猛反対にあう。そんな桜子の夢にただ一人、父・源一郎 (三浦友和)だけが理解を示すが、その源一郎を思わぬ事故が襲う。


純情きらり 第2週「ピアノがやって来た」 第7回 4月10日 (月)

 桜子 (宮崎あおい)西園寺公麿 (長谷川初範)のピアノ演奏会に向かったが、桜子が到着した頃にはすでに演奏会は終了していた。
 目の前には西園寺仕様の高級なグランドピアノがある。桜子はそれを目にして誰もいない会場で「セントルイス・ブルース」を弾き始める……。すると、そこへ西園寺が姿を現す。西園寺は桜子が鍵盤に指を押し込む癖をもっていることから、いつもオルガンでしか弾いたことがないのではないかと言い当てる。西園寺は楽譜が出回っていない「セントルイス・ブルース」を耳で覚えて弾いているという桜子の話を聞くと、感心した様子で桜子に名刺を手渡し、"音楽学校に進学するようなことがあったら東京で講師をしている自分を訪ねるように" と言って会場を去っていった。それだけで桜子は日頃のイヤな出来事をすべて忘れるほど夢心地になり、そしてこの日を境に "東京音楽学校に行きたい" という具体的な夢を描くようになっていった。
 しかし、現実は本当にくだらないことで振り回されている。例の恋文の件だ。翌日、その騒動は薫子 (松本まりか)が正直に自分が書いたと話してくれたおかげで何事もなく終わったが、桜子は達彦 (福士誠治)の母・かね (戸田恵子)から呼び出されて松井家で説教を受けることになった。
・・・松井家に立ち寄った後、いつもの河原沿いを自転車で帰る桜子は不機嫌だった。かねには誤解が解けたが、"卒業したら東京の音楽学校に行きたい" と話したところ、金額がかさみすぎて "安月給取りの娘では無理" と笑い飛ばされたからである。しかし、桜子の決心は固く、その日の夜、東京の音楽学校に行きたいという決心を初めて家族の前で打ち明ける。


純情きらり 第2週「ピアノがやって来た」 第8回 4月11日 (火)

 東京で音楽の勉強がしたいと家族に打ち明けた桜子だったが、経済的な事情から笛子 (寺島しのぶ)の猛反対に遭う。
 翌日は杏子 (井川遥)のお見合いの日だった。桜子は勇太郎 (松澤傑)とお見合いの様子をこっそり覗きに行く。ところが、杏子の見合い相手・河原亮一 (池田鉄洋)は家事をして子孫を残してくれればそれでいいと言う偏った考え方の人物だった。さらに動物好きの杏子の和服に付いた猫の毛を「不潔」とけがわらしいものを見るかのように言うなど、杏子は河原に良い印象を持たない。
 杏子はそれでも早いうちに結婚したほうが経済的にも家族を安心させることができると話し、いよいよ杏子の婚約が現実味を帯びてくるが、桜子だけは河原の人間性を疑って結婚を反対する。
 まもなく杏子の見合いを聞きつけて徳治郎 (八名信夫)も有森家を訪れた。笛子がべらべらと桜子が音楽学校を志望していることを徳治郎に話すと、やはり徳治郎も猛反対。杏子と同じように嫁に行って子孫を残すのがふさわしいと決めつける徳治郎だったが、源一郎 (三浦友和)だけは桜子がしたいことを優先させたいと桜子の味方につく。
 新入生歓迎会を前日に控え、学校の音楽室では音楽教師・西野 (キムラ緑子)の顔色を伺いながら、なるべくジャズを弾かないように練習をする桜子と生徒たちがいた。そして、いよいよ本番当日、桜子たちが壇上に立つと生徒や父兄から大きな拍手が沸き起こる。譜面をピアノに置いて今や弾かんとする桜子だったが、その時、かねや徳治郎たちに音楽学校は無理だと散々反対されたことが頭をよぎる。桜子は悔しさから音楽に対する自分の気持ちを伝えたい思いにかられ、西野や笛子の目前、好きなジャズ調でピアノを弾き始める。すると・・・、「ブラボー!」とはしゃぐ磯 (室井滋)。そしてリズムをとりながら手を叩く源一郎。いつしか新入生や歓迎会を見に訪れた達彦たちも楽しげに手拍子をし始める。
 それは将来の心配も何もかも忘れて弾いた最後の思い出だった。少女たちの夢や命を散らす戦争のかげはまだ空を覆ってはいなかった。


純情きらり 第2週「ピアノがやって来た」 第9回 4月12日 (水)

 桜子はジャズを演奏したことで西野から一週間の停学処分を受ける。その夜、徳治郎は家の恥だと桜子を一喝するが、桜子は悪いことはしていないと反論する。桜子は "反省文を書いてくるように" という西野の言いつけを守り、「俗悪なる音楽で校内の風紀を乱し申し訳なく思っています」と反省文を綴るが、やはり納得できず、それを丸めてゴミ箱に捨ててしまう。
 源一郎はそんな桜子を部屋に呼んで「セントルイス・ブルース」のレコードを流し、いつもジャズが苦しいときに元気を与えてくれたことを話す。そして、ジャズを好きだという気持ちは間違いではないと桜子の気持ちを後押しする。
 翌日、源一郎は勤め先の市役所で松本課長 (佐野光洋) に定年後の職を紹介してくれる知り合いはいないか話を聞いてもらっていた。桜子の学費を稼ぐための行動だったが、まだ家族は誰もそのことを知らない。
 そんな中、桜子はガキ大将だったキヨシ (井坂俊哉)と再会する。現在、キヨシは味噌職人として山長で働いている。キヨシは桜子の弾くオルガンが好きで、いつも有森家の前を通るたびにその音色に思わず足を止めていたのだった。桜子がそんなキヨシと河原沿いを歩いていると、キヨシの悪ガキ仲間だった治 (ペ・ジョンミョン) と耕輔 (大竹浩一) に出会う。キヨシは桜子を恋人かと冷やかされて否定するが、しつこく付きまとう2人に思わず暴力をふるってしまう。その乱闘現場に運悪く町の巡査 (楠見彰太郎) が通りかかり、桜子たちは交番へ連行される。
 キヨシは仲間内でよくあるいざこざだと弁解するが、巡査は聞く耳を持たない。駆けつけてくれた源一郎のおかげで巡査の許しは得たが、その時、教師の西野が交番を訪れる。停学中のトラブルということで退学も考えられるという西野の言葉に源一郎は反省文を差し出す。桜子は不本意な反省文を渡されることを止めようとするが、源一郎からぶたれ、「謝りなさい!」と激しく叱り飛ばされる。桜子にとって源一郎に殴られたのは生まれて初めての出来事だった。


純情きらり 第2週「ピアノがやって来た」 第10回 4月13日 (木)

 桜子が頭を下げて謝ったことで何とか西野の許しは得たが、桜子の気持ちは晴れない。そんな桜子に源一郎は "ウソも方便" と言って桜子の気持ちをなだめる。こんな些細なことで退学になっては仕方ない、音楽学校への未来を閉ざしてしまわないようにという源一郎の思いを知った桜子に久しぶりに笑顔が戻る。
 翌日、源一郎が市役所で働いていると、松本課長に呼び出される。源一郎の定年後の職について良い話は得られなかったらしい。そこで源一郎は松本課長に退職金の前借りを申し出る。さらに源一郎は山長にも立ち寄り、女将のかねにある "あつかましいお願い" をする。すべては桜子の音楽学校への学費を確保するためのことだったが、桜子はそのことを知らない。
 その頃、杏子は見合い相手の河原に会うために喫茶「マルセイユ」を訪れていた。河原は杏子に身体は丈夫かと尋ね、病院で診断書をもらってくるように頼むとそれだけ告げて喫茶店を立ち去る。結婚が子孫を残すための手段でしかないという河原の割り切った考えを聞いた杏子は戸惑う。
 いつしか降り出した雨もやがて雨足が強くなり、夕食時にはどしゃ降りの雨になっていた。そんな中、桜子は徳治郎を呼び出し、音楽学校への進学を正式に徳治郎に報告しようとするが、杏子の縁談の話にタイミングをとられて話を切り出せない。杏子は思いつめた表情で縁談を断ることを家族に話すが、笛子は今さら嫁に行く以外に生きていく道はあるのかと杏子を責める。しかし、杏子は一人で生きることもやむをえない覚悟を話すと、源一郎だけはその思いを受け止めて杏子に理解を示す。杏子の縁談話が一段落し、桜子が音楽学校への進学話を徳治郎に切り出そうとした時、ふいに停電になってしまい、またも機会を逸する。
 その時、外から男の声が聞こえ、土砂崩れが起こったという報告に市役所の土木課勤務の源一郎は慌てて出て行く。結局、いつまで経っても停電は直らず、早々と寝ることにした有森家の家族たち。
 一方、土砂崩れの現場では周辺住民の避難を見守る源一郎の姿があった。ふと輝く石を見つけた源一郎はしゃがみ込み、その石を拾う。それは源一郎も驚くほどのまばゆい水晶だった。その時、同僚の職員が源一郎の頭上で起こった変化に気付き、落石だと声をあげる。源一郎が視線を上げると落石はすでにそこまで迫っていた。


純情きらり 第2週「ピアノがやって来た」 第11回 4月14日 (金)

 有森家では家族が一つのランプの明かりの下で横に並んで眠っていた。そんな中、杏子は桜子に礼を言い、今しがた自分の意見をはっきり言うことができたのは桜子の性格に影響されたからだと話す。そんな桜子を "ただの強情っぱりだ" という勇太郎。一方、そんな桜子を気楽でうらやましいと嫌味っぽく言う笛子。そんなこんなでいつもの兄弟ゲンカになり、枕で叩きあう姉妹たち。その時、停電が回復し、有森家に明かりが戻る。しかし、杏子は近所で有森家だけ先に電気が回復したことに言い知れぬ不安な気持ちを覚える。桜子も同じ気持ちだった。そこへ市役所の男から源一郎が事故に遭ったという連絡が入る。
 岡崎市第一病院ではこん睡状態の源一郎がベッドに横たわっていた。胸部打撲による肺出血を起こしており、医師 (野口雅弘) によると意識が戻らない可能性もあるという。有森家の姉妹が付き添い始めて数日後、源一郎の意識が戻り、安心した家族は笑いながら病室でリンゴを分け合うなどして和気藹々と過ごす。
 夕方、桜子だけが病室に残り、源一郎に一人で付き添うことになった。源一郎は家族の中で桜子が本当は一番強いと言い、姉たちが弱っている時は支えてやるように桜子に伝える。源一郎から水晶をプレゼントされた桜子は "ありがとう" と微笑み、リンゴをむき始める。源一郎はリンゴの皮を切る桜子の姿にいつしかマサ (竹下景子)の姿を重ね合わせる。


純情きらり 第2週「ピアノがやって来た」 第12回 4月15日 (土)

 リンゴを切り終えた桜子が源一郎のほうを振り返ると、源一郎との永遠の別れが待っていた。病室で家族が泣き崩れる中、桜子だけはそのことが信じられず、源一郎にとりすがって泣くことができなかった。
 数日後、葬儀を終えて日常の生活に戻った有森家の家族たち。桜子は源一郎から譲り受けた水晶をいつも離さずに持ち歩くようになっていた。一方、杏子は河原と会うために喫茶「マルセイユ」へ向かう。源一郎の死を知った河原は結婚を条件に経済的な援助を申し出る。
 その頃、桜子は学校からの帰り道で達彦に出会い、源一郎が自分の学費を稼ぐためにかねに再就職の斡旋を頼んでいたこと (第10回目のエピソード) を知る。
 その夜、勇太郎は突然 "家族に犠牲になってもらってまで進学するわけにはいかない" と言い出し、経済的な事情から卒業後に働き始めることを家族に話すが、笛子は有森家の跡取りとして立派な人間になるという長男の責任から逃げているだけだと否定する。険悪な雰囲気の中、気分転換につけたラジオからはジャズが流れ、思わず桜子は源一郎を思い出して彼の部屋へ逃れるが、そこに源一郎の姿はない。ふと、桜子は自分宛に書かれた源一郎の手紙を見つける。君なら大丈夫と応援する源一郎の言葉に、桜子はその手紙を抱きしめる。
 その時、有森家に急な来客が。それは荷物を届けに来た配達人だった。大きな荷物は300円もするという高価なピアノで、源一郎が退職金を前借りして桜子のために買っておいたものだった。ピアノを弾き始める桜子だったが、源一郎の思いを感じて涙があふれてくる。
 有森家にピアノが来た日、それは家族が寄り添いあい、小さな一歩を踏み出した日だった。


次週予告

来週は「恋のプレリュード」

桜子です。
私は音楽学校合格を目指して、西野先生から特訓を受けることになりました。
杏姉ちゃんは河原さんとの結婚を決めましたが、そこでは大変な苦労が待っていました。
一方、笛姉ちゃんは家計の助けになるようにと下宿人を置きます。ところが、このちょっと変わった下宿人のために我が家は大混乱!・・・そして、私の気持ちも……。
純情きらり、来週もお楽しみに!


純情きらり 第2週「ピアノがやって来た」 今週からの出演者とゲスト

河原亮一池田鉄洋
高島キヨシ井坂俊哉
マスター・ヒロブラザートム

秘書天野勝弘
ホール役員亀井彰夫
天田将行
石河美幸
大塚水月
ペ・ジョンミョン
耕輔大竹浩一
巡査楠見彰太郎
松本課長佐野光洋
* (通行人)上村依子
市役所職員森戸宏明
市役所職員知嶋大貴
医師野口雅弘
看護婦木田有香
消防団の男上杉陽一
配達の男村澤寿彦
ピアノ演奏村田孝樹
出演者協力N・A・C
舞夢プロ

河原幸恵山田昌


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