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純情きらり 第6週「サクラサク?」

 東京音楽学校の受験日が迫った。
 桜子 (宮崎あおい)は幼なじみでライバルの達彦 (福士誠治)と東京へ出発する。
 ところが、東京で荷物を盗難されてしまう。仕方なく絵描きの花岡八州治 (相島一之)の助けを借りて、芸術家たちが住むアパート「マロニエ荘」に転がり込むことになったが、変わり者ぞろいの住人に桜子は戸惑うばかり。
 困難を乗り越えて、2次試験まで合格を果たす二人。最後はピアノ実技試験。だが、桜子にまたもトラブル発生。手にケガを負い、試験に遅刻してしまう。


純情きらり 第6週「サクラサク?」 第31回 5月8日 (月)

 東京音楽学校の受験のために上京する日を迎えた。
 しかし、桜子 (宮崎あおい)達彦 (福士誠治)は東京音楽学校に着いて早々、置き引きに遭ってしまう。荷物を見張っていた桜子が絵描き風の男・花岡八州治 (相島一之)から声をかけられ、少し目を離した間の出来事だった。宿泊費も失くしてしまい、二人が途方に暮れていると、八州治が住んでいるアパートの空き部屋を紹介してくれるという。
 桜子たちは「マロニエ荘」という古びたアパートに案内され、そこで住人の小野寺ハツ美 (たくませいこ)という東京音楽学校を目指す3浪中の浪人生と出会う。
 空き部屋の一つでは画家・杉冬吾 (西島秀俊)がヌードモデルの女性を前に油絵を描いていたため、桜子と達彦はもう一つの空き部屋で一緒に寝泊りすることになった。しかし、男女が枕を並べて寝ることだけは抵抗がある。桜子が注文をつけると、八州治はそれまで人の良い感じだったが、急変し、"贅沢言うんじゃねえ" と怒鳴り散らすと、ぶっきらぼうに風呂敷を部屋に投げて去っていった。
 二人はその風呂敷で即席のカーテンを作り、部屋を二分して早々に眠りに就くことにした。しかし、この頃はまだマロニエ荘の住人が桜子や達彦たちをネタに何をしているのか、桜子はまだ知る由もなかった。こうして刺激的な東京の第一夜が更けていった。


純情きらり 第6週「サクラサク?」 第32回 5月9日 (火)

 ピアノ一次試験の日、桜子は不吉にも悪夢にうなされる。しかし、桜子は亡き父・源一郎 (三浦友和)の形見の水晶をお守り代わりに持ち、達彦と共に無事に一次試験を突破する。
 マロニエ荘に戻ると一次を通過したというハツ美も含めて合格祝いの宴がおこなわれることになり、桜子は住人で画家の野上八重 (原千晶)とダンサーの橘マリ (椋木美羽)と初めて対面する。
 この日、一次試験合格のほかにもう一つ良いことがあった。なんと盗まれたはずの荷物がそのまま手付かずで戻ってきたのだった。しかし、達彦には財布すらも抜かれていないことがかえって不思議に思えた。しかも、ここの住人は他人の荷物の中から勝手に八丁味噌を取り出して無断で鍋のダシに使っている。部屋に戻った達彦は住人にすっかり心を許している桜子に "むやみに人を信用しないほうがいい" とたしなめるが、彼らを好意的に思う桜子は耳に留めようとしない。
 受験は順調に2次試験を突破し、ついに最終試験を迎えた。校舎の前では受験生が試験の始まりを待っている。達彦はハツ美の頼みを受けて2人きりで最後の練習に付き添うことになり、2人を見送った桜子が楽譜の確認をしていたその時、ふいに今まで聴いたことのないメロディーが流れてきた。桜子が見えない糸に手繰り寄せられるように音のする方へ向かうと、見物客の中心で男 ( = 秋山均 / 半海一晃)が優雅にサックスを吹いていた。桜子はついその演奏に聴き入ってしまい……。
・・・桜子が生のジャズ演奏に心酔している頃、試験場となる音楽室では桜子の出番が迫っていた。受験番号が一つ違いの達彦はまだ姿を見せない桜子のことが気がかりで仕方がない。
 そんな達彦の心配をよそに、桜子は今度ばかりは持ち前の音楽への一心な思いが災いし、ジャズ演奏に聴き入っている。その時、頭の禿げ上がった男が "メリケンの音楽なんか演奏しやがって" と演奏に割り込んできてサックスを壊そうという勢いでサックス奏者に掴みかかった。音楽教師の西野 (キムラ緑子)でさえ昔はピアノのジャズアレンジを聴いて怒鳴り込んできたぐらいの時局、そんな輩がいても仕方がないがあまりの乱暴な態度を見かねて桜子は止めに入った。しかし、桜子は突き飛ばされ、地面に手をついたときに右手をひねってしまう。
 皮肉にも桜子は男の乱入がきっかけで我に返り、事の重大さに気付くこととなった。桜子は試験場へ急ぐが、試験場ではすでに桜子の番号が呼ばれているところだった。


純情きらり 第6週「サクラサク?」 第33回 5月10日 (水)

 桜子が試験場のドアを開くとすんでのところで間に合ったが、試験官たちの視線は冷ややか。遅れたことを詫びて大急ぎで楽譜を用意して手の痛みに耐えながら演奏を開始するも万全の状態とは程遠く、ついには途中で演奏が途切れてしまう。達彦の働きかけもあってもう一度演奏が認められたが、その演奏も桜子自身、納得できるものではなかった。
 その夜、マロニエ荘では陽気な住人たちのはからいで受験生の慰労会がおこなわれていたが、桜子は参加する気にはなれず、帰ってきてからずっと部屋に閉じこもっていた。達彦は演奏について良かったと慰めるが、桜子の気持ちは暗澹としている。そんな桜子の心境と相反して、岡崎の有森家では上京した桜子の話題に花が咲いていた。受験に落ちてもらった方が経済的に有り難いなどと皮肉まじりに言う笛子 (寺島しのぶ)だったが、桜子の受験を一番心配しているのはその笛子自身だった。
 そして、最終試験の合格発表の日、掲示板のまえには大勢の受験生たちが詰めかけている。桜子の受験番号は45番。最終試験は決して満足できる出来ではなかったが、わずかばかりの希望も捨ててはいない。桜子は自分の代わりに番号の有無を見てきてほしいと達彦に頼むことにした。
・・・まもなく達彦は番号の確認を済ませて桜子のところに戻ってきた。そこへハツ美があらわれ、四度目の受験にしてようやく受かったと積年の喜びを表現している。達彦も合格していたらしく、ハツ美は自分の事の様に喜ぶが、達彦の表情は固い。
「・・・45番はどうだった?」
 桜子は意を決して達彦に尋ねた。しかし、達彦は答えようとしない。桜子は受験生をかきわけて掲示板のまえに向かった。
 一つ一つ、桜子は祈るような思いで受験番号をたどっていく。・・・だが、45番はなかった。
 桜子の夢は泡と消えた。その瞬間、涙がひとすじ、桜子の頬を流れていった。


純情きらり 第6週「サクラサク?」 第34回 5月11日 (木)

 結局、桜子がマロニエ荘に帰ったのは、陽が暮れてからだった。
 しかし、帰って早々、食事部屋の前を通りかかった桜子は信じられない事実を耳にする。なんと、上京初日の置き引き事件を仕掛けたのは八州治だというのだ (※理由は誰かを住ませて空き部屋を埋めなければ建て直しのために追い出されてしまうから) 。それだけでもショックだというのに、さらに追い打ちをかけてきたのは、住人たちが東京音楽学校の受験結果を賭けの対象にしていたということだった。しかも、"桜子は落ちる" と冬吾以外の全員が予想し、見事的中させている。
 桜子には受験が余興のネタにされていたことが許せない。"試験のために命がけで練習したり、周りを説得してきたのに!" 、・・・桜子は一気にまくし立てるが、冬吾から "試験ぐらいで命がけとは大バカ者" と一蹴される。桜子は悔しさから部屋に戻って布団に伏せて泣き続けた。翌日は予定なら達彦とそろって帰郷するところだったが、達彦に先に帰るように言って桜子は帰郷を遅らせることにした。そして、有森家の家族たちは帰郷した達彦から桜子の不合格を知らされることとなった。
 桜子が部屋に閉じこもっていると、また例のごとくピアノの軽快な音色と笑い声が聞こえ、桜子の感情を逆撫でする。
「どうして毎晩毎晩、そうやって気楽に歌ったり踊ったりしとられるんですか!?」
 しかし、人の娯楽に口出しする権利はなく・・・、桜子が階段の脇で泣きはらしていると、冬吾がやって来て階段に腰掛けた。桜子はピアノはもう弾かないという。岡崎に帰ったら花嫁修業に励んで適当な人と結婚をして・・・、そうつぶやく桜子に冬吾は一本の絵の具を見せた。冬吾はどんなに腹が減っても、絵が描きたくて食べ物よりも絵の具を買ってしまうという。
「好きなもんだばやめられね、人に何言われてもな。そすたもんだ」
 あの陽気な住人だってただ気楽に暮らしているわけじゃない、東京には腕のたつ絵描きが多く、技術を勉強するために東京にいるのだ。
・・・真夜中、冬吾が食事部屋を通りかかると、月明かりの中、桜子が一人きりでピアノを弾いていた。桜子は自分が奏でるピアノの音に慰められ、そして癒されていく。
 桜子は思った。やっぱりピアノが好きだ、好きで好きで、好きな気持ちは止められない、と。


純情きらり 第6週「サクラサク?」 第35回 5月12日 (金)

 桜子は岡崎への帰郷をまえに八州治の仕事の手伝いをすることになった。それは八州治の手相占いに大げさに驚いて客を寄せつけるという占い師のサクラだった。売れない画家の八州治はこうして絵の具代を稼ぎ、ふだんは美術学校にもぐり込んでタダで授業を受けているという。
 桜子は貧乏という逆境に耐えながら自分のやりたいことに突き進んでいるマロニエ荘の住人に次第に共鳴していく。桜子はハツ美から、東京音楽学校に一発で合格する人は少ないと言われ、レッスンを受けながら浪人生活をしたらどうかと誘われるが、笛子との "試験は一度きり" という約束を守り、翌日、マロニエ荘を後にする。
 桜子は最後に東京音楽学校を訪れ、夢との決別を誓おうとするが、その時、偶然通りかかった西園寺 (長谷川初範)から声をかけられる。
「3次試験の実技、あの時は音楽を楽しむことを忘れてましたね。岡崎で聴かせてもらった君のピアノにはそれがあったのに」
 "また来年お会いできますね" という西園寺の言葉を聞いて、やはり音楽への未練を断ち切れない桜子は、岡崎に帰らずにまたマロニエ荘に引き返してしまう。
 桜子がマロニエ荘に戻ってくると、一向に帰ってこない桜子を心配して東京にやってきた笛子の姿があった。笛子は桜子を元気づけるようにねぎらいの言葉をかけるが、桜子から返ってきた言葉に笛子は言葉を失う。
「もう一年、東京で勉強さして下さい。もう一年、ここで音楽の勉強をして、もう一回、音楽学校を受験したい。・・・お願いします。許して下さい」
 桜子は "試験は一度きり" という約束を反故して、自分で生活費を稼ぎながら東京で浪人生活をするというのだ。
「・・・もういいわ、私も限界だわ。東京での生活費も学費も、うちからはビタ一文出しません」
 笛子は心変わりを待ってあえて辛辣な口振りになるが、桜子の意志は固く、最後まで去っていく笛子のほうを振り返らなかった。


純情きらり 第6週「サクラサク?」 第36回 5月13日 (土)

 東京で浪人生活を始めた桜子は西園寺にレッスンの申し込みをするため、西園寺の屋敷に向かった。桜子はすんなりと次の金曜日に予定をとりつけることが出来たが、助手の松尾 (村杉蝉之介)から提示された稽古代の相場を見てア然とする。翌日から桜子はその稽古代を用意するために職探しを始めるが、東京に身元保証人がいない桜子を働かせてくれるところはなかなか見つからない。
 数日後、幸運にも桜子は小さな定食屋で仕事を見つけ、店主の岡村伊蔵 (外波山文明)のもとで注文取りや皿洗いなどをして忙しく働いていた。そこへ突然、磯 (室井滋)が訪ねてきて桜子に声をかける。磯は桜子が浪人生活を始めたと知って励ましに来たのだが、磯が東京に来た本当の目的は、磯の愛人及びパトロンだった鮎川周助 (中山仁)に会い、身を切る思いである頼みを申し出ることだった。
 桜子は稽古代を払うために働き始めたものの、給料日はまだ遠く、さらに前借りも断られてしまい、金曜日までに稽古代を工面できる頼りをなくしてしまう。桜子は西園寺の屋敷に向かい、レッスンの取り止めを申し出るが、思いがけないことに先ほど "叔母と名乗る女性" から半年分の稽古代が支払われたという。桜子が大急ぎで屋敷を出ると、屋敷を去っていく磯の後ろ姿が……。
 磯は10年前、周助に手切れ金など要らないと啖呵を切って別れたが、桜子のためにプライドを捨て、それを今になって受け取りに来たのだった。詳しい事情を知らない桜子は、磯の厚意に感謝しながらも受け取ることはできないと断ろうとするが、
「やらんかったら後悔する。やるだけやってみ。笛ちゃんにはこのことは内緒にしとく」
 と言って、桜子の背中を押す。
 磯はかつて東京に飛び出した頃の自分と今の桜子を重ね合わせ、将来、後悔することがないようにという思いから桜子を精一杯応援しようと決めたのである。桜子は磯の思いを受け入れ、こうして東京での音楽修行の日々が始まった。


次週予告

来週は「貧乏なんか怖くない」

憧れの西園寺先生のピアノレッスンが始まりました。
でも、私の夢のまえには大きな壁が次々と立ちはだかります。
そんな時、冬吾さんに連れられて足を踏み入れたダンスホール。私はすっかりジャズの虜に。
そんな私を心配して達彦さんは引っ越してくるし、笛姉ちゃんまで上京してきて……。
純情きらり、来週もお楽しみに!


純情きらり 第6週「サクラサク?」 今週からの出演者とゲスト

杉冬吾西島秀俊
秋山均半海一晃
花岡八州治相島一之
野上八重原千晶
橘マリ椋木美羽
小野寺ハツ美たくませいこ
岡村伊蔵外波山文明
岩見沢るり子初音映莉子
松尾村杉蝉之介

試験官世古陽丸
公園の男花ヶ前浩一
中年男浦崎宏
店員山上賢治
ピアノ演奏浅川真巳子
ホルン演奏岸川穣

鮎川周助中山仁


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