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純情きらり 第5週「運命の分かれ道」

 桜子 (宮崎あおい)は東京音楽学校のピアノ科入学を目指して猛練習する。
 そんな中、下宿人・斉藤 (劇団ひとり)との結婚の話が持ち上がり、心が揺れる桜子。
 が、東京の実家に帰省した斉藤は心変わりし、結婚を白紙に戻して有森家を去ろうとする。
 一方、八丁味噌の蔵元「山長」を経営する松井家では、跡取り息子の達彦 (福士誠治)が音楽への思いを断ち切れずにいた。
 達彦は東京音楽学校のピアノ科の受験を決めるが、母・かね (戸田恵子)から激しく反対されてしまう。


純情きらり 第5週「運命の分かれ道」 第25回 5月1日 (月)

 斉藤 (劇団ひとり)と結婚するか、ピアノで音楽の道を進むかという二つの選択肢に桜子 (宮崎あおい)は思い悩む。笛子 (寺島しのぶ)は長年見合いをしてきた経験から、自分に思いを寄せてくれる人はそうは現れるものではないと言って結婚するように桜子に勧める。
 その夜、有森家では徳治郎 (八名信夫)が訪れ、渦中の二人がいない食卓で家族会議がおこなわれていた。徳治郎は二人の結婚話に顔をしかめるが、笛子から東京の音楽学校に行くよりはよっぽど良いと説き伏せられてしまう。
 翌朝から、桜子の亭主候補になった斉藤に有森家の面々は丁重なもてなしを始め、桜子も斉藤にどんな顔をしていいのかわからない。動揺するあまり、斉藤の茶碗に山盛りのどんぶりほどの飯をよそってしまう有り様。それでも相変わらず、結婚か音楽の道のいずれかをとるか答えを出せない桜子に、笛子は実現する可能性の低い夢を追うことの厳しさを説く。音楽教師の西野 (キムラ緑子)からもピアノの実力の不十分さを指摘されてしまった桜子だったが、いつも励ましてくれた亡き父・源一郎 (三浦友和)の "桜子が本当にやりたいと思っていることなら、お父さんは何としても応援する" という言葉が背中を押し、桜子はある決心を固める。
 桜子は斉藤の下宿部屋を訪ね、初めて斉藤に向き合って好きだという気持ちを告白する。しかし、斉藤が嫁にほしいと言ってくれたことに感謝しながらも結婚はできないことを伝え、やはり音楽の道だけはあきらめられないと話す。
 そんな桜子に斉藤が思ってもみなかった提案を切り出した。それは、婚約の状態を続けて東京にある斉藤の実家から音楽学校に通ったらどうか、という提案だった。斉藤と結婚が出来て音楽も続けられる、それは桜子にとって夢のような話だった。


純情きらり 第5週「運命の分かれ道」 第26回 5月2日 (火)

 桜子と斉藤が結婚の約束を交わして二ヶ月が経ち、迷いが消えた桜子のピアノの練習にも一段と弾みがつく。
 ある日、桜子は斉藤を神社に連れ出し、岡崎にある一番美味しいもの、陽射しを十分に浴びた神社の柿を木に登ってむしりとり、斉藤に食べさせてあげることにした。その晩の食卓、そんな桜子の行動を山猿みたいだと笛子が呆れていると、東京の実家から斉藤宛てに電報が届く。そして、すぐさま急用だと言って慌ただしく東京に発った斉藤に桜子は胸騒ぎを覚える。
 数日後、一向に戻ってこない斉藤を家族で心配していると、玄関の戸を叩く音が。桜子は斉藤だと思い、喜んで玄関に飛び出すが、それは杏子 (井川遥)の別居中の夫・河原 (池田鉄洋)だった。
 杏子は再度呼び戻しに来た河原を外に連れ出し、もう戻る気はないと別れ話を切り出す。そこで初めて河原は自分が河原家の養子だったという意外な事実を話し始める。愛情など無く、血縁のない肩身の狭さから河原が養母・幸恵 (山田昌)に傅 (かしず) いていたと知り、杏子は河原に同情を示すが、気持ちは変わらず離縁を告げる。河原は去ってゆく杏子に駆け寄って腕を掴むが、杏子の強いまなざしを見てその手を離す。
 落ち着かない桜子が杏子の帰りを待っていると、一人で帰ってきた杏子が姿を見せる。杏子がもう河原家に戻ることはないと知り、家族みんなが胸を撫で下ろしたその夜、桜子の部屋に杏子がやって来て「産婆になりたい」と桜子に伝える。杏子は桜子の夢にまっすぐな生き方を見て刺激を受けたと言い、桜子はそんな杏子を心から応援する。
 翌日、産婆になりたいという杏子の突然の話に笛子と徳治郎が渋い表情を浮かべていると、斉藤が数日ぶりに有森家に戻ってくる。未来の花婿を歓迎する雰囲気の中、斉藤は思いもよらない話を切り出す。
「結婚のこと、考え直していただけますか。白紙に戻していただきたいんです」
 斉藤の突然の心変わりに桜子は動揺する。


純情きらり 第5週「運命の分かれ道」 第27回 5月3日 (水)

 斉藤は物理教師を辞めて山口県の名誉ある海軍燃料廠に転職すると話し、婚約を破棄したいと申し出る。斉藤の身勝手な発言を聞いた祖父の徳治郎は激昂して斉藤に掴みかかるが、斉藤はただ頭を下げて謝るばかり。桜子はショックを受けながらも気丈に振舞い、姉の笛子たちはそんな桜子を心配する。
 翌朝から有森家の食卓は一変、重い雰囲気に包まれる。斉藤が旅立つ日が迫り、桜子は最後の思い出に神社で一緒に柿を食べようと斉藤を誘う。桜子は学者として利達したいと思う斉藤の当然の気持ちを受け止めて、最後まで斉藤を好きだという想いを貫き通す。
 そして、斉藤が有森家を去る日がやって来た。斉藤を許す気になれない笛子はプレゼントされた帽子を返し、それを見て桜子を思い出してほしいと突き放す。その頃、桜子は学校の音楽室で西野からピアノの指導を受けていたが、斉藤のことが頭をよぎり、ピアノに集中できないでいた。
 有森家の庭では勇太郎 (松澤傑)が斉藤の残していったものを不快に思い、すべて焚き火で燃やそうとしていた。その時、勇太郎はくずかごの中から "ハサン" と印字された紙切れを見つけ、思わず手が止まる。それは先日、斉藤に届いた電報の切れ端だった。
 急いで学校に駆けつけた勇太郎から "真実" を聞かされた桜子は、自転車を走らせて駅に向かう。師範学校に問い合わせた勇太郎によると、貿易商を営む斉藤の実家が破産してしまい、斉藤が多額の借金を背負ってしまったらしい。
 斉藤が心配をかけまいとしてついた嘘に桜子は胸がいっぱいになる。桜子はその足で川沿いを急ぐが、時すでに遅く、斉藤が乗車しているはずの汽車が警笛を鳴らしながら目の前を通り過ぎていった。
 しかし、斉藤はまだ岡崎から離れていなかった。桜子とよく訪れた川を最後に心に刻もうと汽車を一本遅らせたのだった。桜子は音楽の道さえもあきらめて斉藤についていこうとするが、"音楽を失ったらあなたは輝けなくなる" そう諭すように告げて最後まで首を縦には振らなかった。
 二人は再び互いの人生が交わる日が来ることを信じ、握手をかわして笑顔で別れた。
 これが岡崎で斉藤の姿を見た最後だった。そして、桜子の淡く儚い初恋の終わりだった。


純情きらり 第5週「運命の分かれ道」 第28回 5月4日 (木)

 昭和13年 (1938年) の正月、桜子は勇太郎と初詣に出かけ東京音楽学校の合格祈願をする。そこへ達彦 (福士誠治)があらわれ、桜子たちは新年の挨拶を交わすが、達彦もまた大きな決意を固めていた。
 その日、八丁味噌の蔵元「山長」では毎年恒例の新年会が行われ、その席上で達彦が乾杯の口上を述べることになった。山長の跡取り披露のつもりで口上を任せた母・かね (戸田恵子)だったが、そこで達彦から "東京音楽学校を受験する" という予想だにしない決意を聞く。すでに第八高等学校に退学届を出し、将来山長を継ぐ気はないと言う達彦の言葉にかねは怒りがおさまらない。やがて、桜子が「東京音楽学校に行きたい」と言っていたことに思い当たったかねは、桜子が達彦をそそのかして音楽学校に誘ったと思い込み、静かな怒りをもって有森家を訪ねる。
 桜子はかねの見当違いの妄想に戸惑い、達彦の心の変化など知らなかったと正直な感想を告白してかねを追い返す。勢いから「もしそうだとしたら、達彦さんには負けない」と断言した桜子がその後、不機嫌に町を歩いていると喫茶「マルセイユ」から流麗なピアノの調べが聞こえ立ち止まる。窓をのぞきこむとピアノ演奏の主は渦中の達彦だった。音楽教師の西野から試験に合格するためには易しい課題曲を選ぶように言われた桜子だったが、達彦は課題曲の中でも数段難しい曲を難なく弾きこなしていた。桜子は達彦の演奏を目の当たりにして敗北感に打ちひしがれる。


純情きらり 第5週「運命の分かれ道」 第29回 5月5日 (金)

 桜子は狭き門を争うライバルになった達彦との実力差に愕然とする。その達彦は東京音楽学校への誓約願書に署名してもらおうとかねに頭を下げるが、かねは認めようとせず、願書を破ってしまう。やがてかねの口をついて出た「勘当」の言葉に反発して自分から家を出た達彦は喫茶「マルセイユ」でただで寝泊りさせてもらう代わりにマスター・ヒロ (ブラザートム)の手伝いをするようになり、達彦のピアノ生演奏はいつしか店の名物になっていた。
 しかし、達彦はこのままでは東京音楽学校を受験することができない、その事実をヒロから聞いた桜子は家柄とはいえ、自分の未来を選びとることも許されない達彦のことを思い、物思いに耽る。そして桜子は達彦のピアノ演奏に聴き惚れる客の反応を見せれば、かねも心変わりをするかもしれないと考え、マルセイユでピアノ演奏会を開こうと計画する。
 そんな中、達彦のもとに父・拓司 (村田雄浩)が酔い心地で訪れ、音楽を四年間精一杯学んだあとはすべてを忘れて山長の跡取りを継いだらどうか、という一つの解決策を切り出す。山長の跡取りという宿命は変えられないが、答えを急ぐことはないという拓司なりの人生観だった。
 翌日、町の大通りでは「松井達彦ピアノ演奏会」を告げるビラを配る桜子と勇太郎の姿があった。そしていよいよピアノ演奏会が始まろうとしていた。


純情きらり 第5週「運命の分かれ道」 第30回 5月6日 (土)

 達彦のピアノ演奏会当日、松井家のかねのもとに桜子から招待状が届く。しかし、かねはマルセイユを訪ねると、番頭の野木山 (徳井優)と駆け出しの職人・キヨシ (井坂俊哉)を従えて達彦を捕まえ、山長の納屋に閉じ込めてしまう。
 それを伝えにやって来たキヨシに桜子は達彦を返すように懇願するが、キヨシはその場を去って行き、マルセイユの店内に戻ると一向に始まらない演奏会に客の不満がふきだしていた。桜子は達彦の代理でピアノを弾き始めるが、盛況とは程遠く、やがて客が飽き始めてしまう。
 演奏会の続行が危ぶまれたその時、ようやく達彦が姿をあらわす。桜子に思いを寄せるキヨシが悩み抜いた末に達彦を解放してくれたからだった。
 しかし、同時にそれはかねの耳にも入り、今度は "無茶苦茶にしてやる" と、えらい剣幕でマルセイユに向かうが、達彦のピアノ演奏を目にしてハッと息を呑む。やがて演奏終了と共に拍手喝采が店内を包み、かねはその光景に心を打たれる。
 かねは達彦の東京音楽学校へ行くという選択に許しを出すが、松井家に帰ると、ひとつの大きな条件をつきつける。達彦もその条件を受け入れて部屋を出て行く。それは、東京音楽学校を卒業し次第、山長を継ぐという約束を交わすことだった。
 そして3月、東京音楽学校の受験が迫り、桜子と達彦は上京する日を迎えた。


次週予告

来週は「サクラサク?」

ついに憧れの東京音楽学校の試験が始まります。
でも、東京に着いた早々、荷物は盗られちゃうし、転がり込んだマロニエ荘っていうアパートにはダンサーやら絵描きさんやら怪しい人たちがいっぱい。おまけにそのアパートでは、達彦さんと同じ部屋で寝泊りすることに。
もう心配なことばかり。でも、絶対に負けません。いざ、合格!
純情きらり、来週も見て下さい!


純情きらり 第5週「運命の分かれ道」 今週からの出演者とゲスト

郵便配達大木章
梅奴 岡本易代
田中允貴
浜田悟
長谷川ほまれ


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